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ブックマーク / ameblo.jp/kyupin (30)

  • 『精神科医の年齢によるベンゾジアゼピン処方の温度差』

    ベンゾジアゼピンは抗不安薬や睡眠薬として処方されてきた歴史がある。年配の精神科医はベンゾジアゼピンの処方経験の多さと副作用で困った経験が稀なためか、ベンゾジアゼピン処方に対し若い精神科医より抵抗がない。 ここで言う若い精神科医とは40歳代以下くらいであろうか? 近年は不安障害に対し、安易にベンゾジアゼピンは処方しない方針で治療が行われることが多い。ベンゾジアゼピンではなく、SSRIが主流になっているからである。 このブログでは、不安障害に対してベンゾジアゼピンを全面的に否定しないポジションで記載している。僕があまりベンゾジアゼピンを不安障害に使いたくないのは、次第に処方錠数が多くなりかねないという気持ち的な部分が大きい。処方はシンプルな方が良い。また全面的に否定しない別の理由として、日人はSSRIを副作用的に服薬できない人が少なからずいることも関係している。 また、SSRIは服用し続けて

    『精神科医の年齢によるベンゾジアゼピン処方の温度差』
  • 精神科の診断の偏向について | kyupinの日記 気が向けば更新

    精神科業界は不思議なもので、自分の専門としている疾患の診断を付けたがるところがある。ある精神科医は限りなく「双極性障害」の範囲が広いとか。あるいは思春期を専門に診ている人は発達障害系の診断が多くなるとか。僕は違う診断がついても同じような治療となり結果的に良い結果になるなら、文句はないといった感じ。それでも、偏向した診断を見て「なんだこりゃ?」と思う時はある。 うちの病院の近くに、思春期~青年期が専門だとぶち上げているクリニックがあるのだが、その精神科医が診た患者さんを時々いろいろな場所で診察する機会がある。いろいろな場所とは、うちの外来であったり、あるいは今往診に行っている総合病院であったりするのであるが、真剣に病歴を聴取して診断しているのか相当に疑わしい。僕にはその精神科医の診断における思考パターンが理解できない。 たぶん彼は少し僕より卒業年度が後でまた大学病院で仕事をしていた期間が長い

    精神科の診断の偏向について | kyupinの日記 気が向けば更新
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2018/10/16
    "アスペルガーはプレコックス感とは全く異なるが、ある一群の人々はその雰囲気がある"
  • 『ADHD的所見はいろいろな疾患で見られる』

    前方型認知症の患者さんが何人か入院しているが、その内1名は僕の担当患者である。彼女には、いわゆる「立ち去り行動」が見られる。 例えば診察時にちょっと油断すると席を立って出て行ってしまう。それは診察室に限らず、デイルームでも同じことが起こる。つまり2人で話しているとき、ちょっとした隙に立ち上がって、どこかに行ってしまうのである。 その隙とは、僕が処方箋を書いている時、あるいは看護師から僕に何か話しかけられている時に限られ、真に彼女と一緒に話している途中にはほとんど生じない。つまり彼女の注意が中断している時に起こる。 この「立ち去り行動」は前方型認知症の重要な症状の1つである。 これは前後の文脈を辿れば、「常同行動」を阻止されたことに対する反動という見方もできる。つまり彼女の病棟内の周徊中に診察室に呼んだため、話が途切れた時に、守備位置(定位置?)に戻るといった感じである。あるいは、単に1つの

    『ADHD的所見はいろいろな疾患で見られる』
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2017/12/14
    "前方型認知症の人では、食行動がワンパターン化する" "過食傾向になることが多い"
  • 『2015年12月イフェクサーSR発売』

    早ければ今週にもイフェクサーSRカプセルが発売される。過去ログでは、ベンラファキシンと一般名で記載している。商品名だが、エフェクサーなどの名前のこともある。過去ログではベンラファキシンないしエフェクサーと記載していることが多い。 治験が不調で今後発売されないことも十分にありえたが、海外の評価が高いこともあり製薬会社も頑張ったようである。販売元はファイザーのはずだが、この薬に関しては未だ営業に来たことがなく、パンフレットはなし。 日での剤型はカプセルで37.5㎎と75㎎になるようである。以下、ファイザーのサイトから。 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤 「イフェクサー®SRカプセル」の承認取得 2015年9月28日 ファイザー株式会社 ファイザー株式会社(社:東京都渋谷区、社長:梅田一郎)は、日、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI:Serotonin-No

    『2015年12月イフェクサーSR発売』
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2017/04/10
    "日本ではうつ病、うつ状態しか適応がないが、海外では、全般性不安障害、社会不安障害にも適応が認められている" "(効果がある可能性)強迫性障害...ADHD、慢性疼痛などが挙げられる"
  • 『境界例』

    2ch掲示板は、以前はずいぶんほのぼのとした雰囲気があった。これは、2000年頃、境界例のスレッドをたてた時のもの。境界例やプレコックス感について、当時の僕の考えが書かれている。このスレッドの最初に出てくる論文の境界例の予後調査だが、現在までの診療の実感からすると、このアメリカの結果は良好すぎると思われる。(当時のスレッドで、煽りなどを削除。また統合失調症、認知症などに置換) 追跡調査----境界例 1 名前: kyupin 投稿日: 2000/03/09(木) 22:45 ボーダーラインの診断基準が提唱されたのは1970年代後半~1980年にかけてであるため、追跡調査の期間には限界がある。少なくともこの診断を受けて30年経っている人はいない。 それでも、境界例の患者が中高年になるとどうなるか?というデータはある。 MH Stoneは、州立精神病院におけるボーダーラインの患者 (N=205

    『境界例』
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2017/01/31
    "プレコックス感が無いので、外見だけでは病気らしさが見えません"
  • エゾウコギ Q&A (後半) | kyupinの日記 気が向けば更新

    Q5 エゾウコギには毒性はありませんか? 鋭い質問です。 確かに、植物系の滋養強壮薬は少量の毒物を取る結果、効果を発現するパターンが多いです。ウコギ科の植物は毒性を持つものもありますが、エゾウコギと高麗人参に限れば、毒性は極めて微弱と言われています。いくつかの動物実験でも確かめられており、膨大な量をとらない限り、悪影響はないとされています。 Q6 エゾウコギは過になりませんか? エゾウコギは欲増進作用を持ちますが、衰弱していて欲が低下している人には増進作用がありますが、一般の人への積極的な増進作用はないと思われます。少なくとも、自分には経験がありません。 Q7 エゾウコギは時々休薬した方が良いと聞いた事がありますが、当ですか? エゾウコギですが、飲みっぱなしより、時々休薬した方が良いです。過去ログでは、時々、他のメーカーに替えることも推奨しています。 サプリメントなどでは、3~6ヶ

    エゾウコギ Q&A (後半) | kyupinの日記 気が向けば更新
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2017/01/25
    "衰弱していて食欲が低下している人には増進作用がありますが、一般の人への積極的な増進作用はないと思われます"
  • 『エゾウコギ Q&A (前半)』

    このブログで時々出てくるサプリメント、エゾウコギ(エレウテロコック)について、アメブロメールやコメント欄の質問などを元にQ&Aとしてまとめてみました。 Q1、エゾウコギと高麗人参は、どう違うのですか? A:エゾウコギと高麗人参は同じ仲間ですが、同じ場所には成育していません。エゾウコギと高麗人参は、来同じような植物が異なる気候の下に進化したように見えます。ウコギは日だけで9種類もあり、ほとんどが何らかの薬効があります。ウコギの中で、最も薬効の大きいものが、エゾウコギと高麗人参のようです。 Q2 エゾウコギと高麗人参の薬効の違いを教えてください。 A:急性ストレスに対し、高麗人参は、抗疲労にも回復にも効きますが、エゾウコギは、抗疲労作用はありますが、疲労回復作用は高麗人参には及ばないらしいです。 エゾウコギの主成分は、トリテルペイード系の配糖体といわれており、その効用は、代謝促進、強壮、抗

    『エゾウコギ Q&A (前半)』
  • 『統合失調症とエゾウコギ』

    今回の話は「アルプスの少女ハイジ」の続きになる。エゾウコギが統合失調症にどのように関与するか興味がある人もいるであろう。彼女の今までの臨床経過はエゾウコギの統合失調症への影響について、いろいろなことを暗示していて非常に興味深いと思った。 当初、エゾウコギを用いた理由は慢性的倦怠感があったからで、とりわけ統合失調症に対しての積極的な治療の意識はなかった。とにかく、大量の抗精神病薬を減量して小康状態になって以降、倦怠感が出て体調不良になっていたためだ。 エゾウコギの開始日、僕はカルテにこのように書いている。 体のきつさをずっと訴えているため、エゾウコギを使用する。 この日の処方 ジプレキサ  2.5mg クレミン   50mg ドグマチール 100mg プリンペラン 2T メトリジン  2T ハルシオン  0.25mg デパス    2mg 他便秘薬 (リスパダール換算 3mg) その後ジプレ

    『統合失調症とエゾウコギ』
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2017/01/25
    "エゾウコギは脳の神経細胞を活性化し、おそらく以前より少ない薬物量で治療可能になっていったのだと思われる"
  • 『カタプレス』

    一般名;塩酸クロニジン カタプレスは日では高血圧しか適応がないが、精神科では向精神作用を期待して時々処方される薬物である。このブログの過去ログにも、いくつか経過中にこの処方が出ているが、その意味についてほとんど説明していない。カタプレスは効果がはっきり目視できるほどの向精神作用が認められる。基的にカタプレスは切れ味鋭いと思う。 僕が精神科医になった頃から、カタプレスは既に向精神薬として処方されていた。当時、最も処方された疾患はたぶんトゥレット障害およびチックの患者さんだと思う。またMBD(minimal brain dysfunction)の患者さんの多動、衝動にも使われていた。その後、少しずつ処方範囲が広がり、遅発性ジストニアやジスキネジアなどの抗精神病薬の副作用や強迫などにも補助的に処方されるようになった。 当時の邦の精神科雑誌ではいろいろな疾患への処方経験などが掲載されており、

    『カタプレス』
  • エゾウコギの銘柄と効果について | kyupinの日記 気が向けば更新

    数ヶ月前だが、読者のこれのさんや捨てネコさんから楽天などでもエゾウコギを売っていることを知り、一度試飲することにした。はっきりいえるのは、製品化されたもの(カプセルや錠剤)よりエゾウコギそのものをホワイトリカー漬けにするか煎じる方法がずっと良いこと。これは読者さんの経験的にもそうである。(コスト的なものについてあや*さんが意見を書いておられます) 僕はずっとかなり高価なものを買っていたので(桐箱入り)、当初は楽天のショップの製品が随分と安価なので少し心配していた。最初、楽天でも比較的高価なもの(日産)を買ってみた。送られてきたものを見ると、今まで使っていたものよりもかなり細かく粉砕されているように見えた。これはコーヒーで言えば、荒挽きと中挽きの相違みたいなものか・・ とにかく実際にホワイトリカー漬けして試飲してみたら、その不味さに絶句。 エゾウコギのホワイトリカー漬けはもともと不味いもの

    エゾウコギの銘柄と効果について | kyupinの日記 気が向けば更新
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2016/12/16
    "内因性疾患、発達障害系のうつ、その他の精神症状、神経症全般に対し、エゾウコギは史上最強の精神科サプリメント"
  • 『エビリファイは糖尿病に禁忌ではない』

    上は、大塚製薬株式会社のエビリファイ1ml包装のパンフレットである。ここに記載されているように、最初に警告として赤文字で糖尿病患者へのリスクが注意喚起されている。 この記載の仕方は相当に問題があり、精神科ではない病院の薬剤師さんから、「エビリファイは糖尿病に禁忌ではないですか?」などと質問されることがある。また、近年は添付文書もインターネットで検索できるようになったため、患者さんからも、 「先生は、糖尿病に禁忌のエビリファイを処方した」 などと勘違いされることがある。僕は別のパターン、 「あの医者は糖尿病に禁忌なのも知らないで自分にエビリファイを出した。」 と転院した理由に挙げる患者も経験している。全く、その医師にとっても迷惑な話である。 よく読むと、警告のすぐ下の禁忌の欄には、糖尿病は記載されていない。 これはパンフレットの末尾にある添付文書風の記載だが、ここにも真っ先に糖尿病の警告が挙

    『エビリファイは糖尿病に禁忌ではない』
  • 『プレコックス感』

    「プレコックス感」という言葉があるが、これは「対人接触性」とは異なると思っている。プレコックス感は別に診察していなくても、極端に言えば、バスでたまたま一緒に乗り合わせているぐらいでも、表情を見ると感じ取ることができる。 プレコックス感は、その人の写真だけでわかるものか? という質問には、やはり写真だけだとかなり精度が落ちるといわざるを得ない。ただ、その人の様子がわかるビデオだとかなりわかると思う。こんな風に考えていくと、プレコックス感は単に平面的なものではなく、おそらくその場の3次元的なものが関与しているのだろう。短くて良いが時間的な推移も必要なのかもしれない。 ある人が統合失調症に罹患したとして、プレコックス感はいつ出てくるのだろう? 少なくとも発病した瞬間は、プレコックス感はないと思う。例えば、非常に稀だが、「昨夜11時から突然様子がおかしくなりました」などと言う主訴で初診する患者さん

    『プレコックス感』
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2016/10/30
    "アスペルガー症候群はしばしばSSRIが処方されるが...強迫に対してはカタプレスが有効だった" "アスペルガー症候群の患者さんが統合失調症と誤診されて入院している人も少なからずいるのでは" "治療はあまり変わらない"
  • 『アスペルガーと正常の間の人々』

    数ヶ月前に、ある女性患者さんが初診した。僕は最初話していたとき、彼女はアスペルガーではないかと思った。そう思った根拠であるが、 1、 服装 2、 容姿・表情 3、 主訴の内容 であった。アスペルガーは痩せ型の人が多く、ひょろっとしていて服装の色合いもモノトーンが多い。(特に黒>参考) あと、わりあい性別、年齢不詳の印象の人も多いように思うが、中には妙に端正で俳優か女優さんもできるのではないかと思うような人もいる。(←意味不明) つまり根拠がないと言えば、そうとも言える。 とにかく、アスペルガーでも社会生活を普通に営んでいるような限りなく正常に近い人たちは、何か事件が起こらない限り正常人として紛れているのである。 だから、こういう人たちは何もなければ、もちろんアスペルガーとは言えないと思うし、何か精神面で起こったとしても、その程度ならそう診断すべきではないという感覚。つまり幼少の頃からトータ

    『アスペルガーと正常の間の人々』
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2016/10/12
    "アスペルガー的な人はどこまで悪くなるのか見当がつかないところがあり、早めの休養が予後を良くすると思う"
  • アスペルガーと前頭前野|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

    精神医療の中で、僕が最も自信を持っており、また誇りにしているのは「統合失調症の診断」である。これはたぶん、精神科医になってからの環境、教育によるところが大きいと思っている。 僕が精神科医になってから、「統合失調症ではない」と否定的に診断した人は、間違っていたことが1度もない。最もよくわからないのが、統合失調症でないと診断して、その後時間が経ってからもそうなった人がいないこと。これはちょっとした謎であった。 逆に「統合失調症である」と肯定的に診断して、実はそうではなかった人は過去にいることはいる。ここ数年では1名のアスペルガー症候群である。この子は時間が経ってから訂正したが、この子が僕の目を一時にせよ欺いたことも、ずっと謎であった。 僕は幻覚妄想があるからとか、陰性症状があるように見えるからといって統合失調症とは診断しない。参考にするだけだ。 アスペルガー症候群の人たちは、脳の機能不全の部位

    アスペルガーと前頭前野|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2016/10/12
    "アスペルガー症候群の人たちは、脳の機能不全の部位が統合失調症とオーバーラップしているように見える"
  • 『不眠でうつ状態になるのか?』

    今回は、不眠とうつ状態およびニワトリとタマゴの話。 うつ状態になると、一般には不眠の症状が出現することが多い。そういう症状が出ない人ももちろんいるが。ここでは希死念慮が出る、不安・焦燥感が出るなどは考えないことにする。最初のポイントだけのシンプルな考察である。 一般的に言えば、短期的な不眠は「抗うつ的」に作用する。言い換えると、うつ状態に対し「治療的」なのである。その証拠に「断眠療法」という治療があるし、日常的にも徹夜をすると翌朝は妙に笑い声が出る。気分が浮かれ、うつ状態が軽減している。 これは学生の頃、徹夜マージャンをした時はそんな風な感じになっていたし、深夜明けの看護師さんに冗談を言うとよく笑ってくれる。これは気分がやや高揚しているのであろう。その原因は明らかに断眠である。 慢性疲労系のうつ状態ですら、ありえないことに徹夜をすると翌朝、倦怠感が軽減している。短期的にはこういう病態でも改

    『不眠でうつ状態になるのか?』
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2016/10/12
    "うつ病になると、早朝覚醒が生じることが多い。もちろん過眠などの逆の状態になる人もいる" "エビリファイのために睡眠時間が短くなったと言う人がいる。しかも本人がほとんど苦痛を感じていないことも"
  • 『広汎性発達障害のように見える統合失調症は存在する』

    日常臨床で広汎性発達障害の色彩を持つ統合失調症の患者さんを目撃することがある。 彼らを統合失調症と診断するか広汎性発達障害と診断するかは精神科医のタイプによるが、普通、幻覚妄想が一定期間以上続いていて、ひきこもりなどの陰性症状っぽい所見も伴っていれば、統合失調症と診断する医師が多いと思われる。 実際に、そのレベルの患者さんは成人していれば「統合失調症」として障害年金を貰っていることが多い。彼らが「統合失調症ではない」という確実な証拠はない。 僕は、全く別な所見で統合失調症と診断しているので、トータルで言えば、統合失調症の人もいれば広汎性発達障害の人もいるといったところだ。(過去ログ参照) 基的に、明確に「広汎性発達障害」と診断できるほどの子供が将来「統合失調症」に移行するのは極めて難しいと考えている。これは過去ログに出てくる「知的発達障害の子供が統合失調症になりにくい」ことに関係が深い。

    『広汎性発達障害のように見える統合失調症は存在する』
  • 『エビリファイで眠くなる人』

    エビリファイは不眠の副作用が出現するため、朝、1回投与などが推奨されている。僕の患者さんでは、80~90%の人が朝1回投与である。しかし、個人差があるもので、エビリファイで眠くなって困る人がいる。こういう場合は、夜1回投与でも良いという。僕の患者さんの場合、そこまで眠さを訴える人がほとんどいないこともあり、不眠が出ない人に朝夕投与するくらいである。人の希望で、1日3回に分服する人も1名だけいる。 特に人の訴えがない場合は朝1回投与にしているが、全然不眠が生じない人に関しては、夕方1回服用した場合でもそう不眠が出ないように思える。朝に服用しても、不眠になる人はどうしても不眠になるからである。不眠の副作用が強く出る人はいつ服用したかは、たいした問題ではないように見える。 そういう考え方をすると、エビリファイでさえ、朝1回にそこまでは拘らないでも良さそうに見える。エビリファイを分けて服用する

    『エビリファイで眠くなる人』
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2016/09/05
    "エビリファイは不眠の副作用が出現するため、朝、1回投与などが推奨されている"
  • 『抗うつ剤と頭痛の副作用』

    うつ剤に限らず、向精神薬では頭痛の副作用が出るものがある。また、頭痛に治療的な向精神薬もある。 精神症状の1つとして頭痛がみられる人は、何らかの向精神薬を併用することで頭痛が緩和することがある。 継続せざるを得ない向精神薬を服用している際、主治医に頭痛を訴えた場合、それまでの処方を変更するよりはロキソニンなどの疼痛に効く薬を追加で処方されることの方が多い。 その理由は、原因かもしれない主剤を変更するより、頭痛薬を併用して改善させる方が精神面への悪影響がはるかに小さいことが大きい。主剤を変更するのは決断が必要だからである。 新しいタイプの抗うつ剤の頭痛の副作用頻度 レクサプロ 5%以下 リフレックス 5%以下 サインバルタ 9%以下 パキシル   10~29% ジェイゾロフト 30~49% デプロメール  30~49% これを見ると、レクサプロとリフレックス(レメロン)は新しいタイプの抗う

    『抗うつ剤と頭痛の副作用』
  • 『精神科における抽象的な表現について』

    精神科では、しばしば「表情が硬い」という言葉が使われる。この場合、「表情が固い」とは言わない。 「表情が硬い」という表現は統合失調症に使われることが多いが、表情が硬い人が統合失調症かと言えば、そうではない。 緊張を強いられる環境では、たいていの人は多かれ少なかれ表情が硬くなるが、それは統合失調症の人の表情の硬さとは異なる。 写真など二次元的なものでは区別がつきにくいことはあるが、動画であれば一目瞭然かというとそうとも言えない。 過去ログのどこかに書いたような気がするが、外国で制作された統合失調症の患者のインタビュー集を看護学校の生徒に見せて講義をしたことがある。もう20年以上前である。その日、映像を観ていて最も疲労困憊したのは、教官の自分自身だった。 あの映像には不思議な負のエネルギーに満ちており、彼らが話している内容すらわからないのに疲労困憊するのである。その授業の最後に、まだ20歳くら

    『精神科における抽象的な表現について』
  • 『むずむず足症候群と低力価オピオイド』

    現在、正式にむずむず足症候群(レストレスレッグス症候群)への適応が認められた薬物は3剤ある。 ①ビ・シフロール ②レグナイト ③ニュープロパッチ この中で、①ビ・シフロールと③ニュープロパッチは、パーキンソン症候群にも適応を持つ「ドパミンアゴニスト」にカテゴリーされる薬物である。ニュープロパッチは初めて出てきたが、パッチ製剤である。 ②レグナイトは過去ログにも紹介しているように、ガバペン(新規抗てんかん薬)のプロドラッグである。従って、これは上記2剤とタイプが異なる。 むずむず足に効果を持つが、正式に適応が認められていない薬は、リボトリール、トラムセット、トラマールなどであろう。リボトリールはベンゾジアゼピン系抗てんかん薬、トラムセットとトラマールは、低力価オピオイドである。 リボトリールは昔はこれくらいしか効く薬がなかったので、適応外で処方されやすいと思われるが、トラムセットとトラマール

    『むずむず足症候群と低力価オピオイド』
    daisukeeHTN
    daisukeeHTN 2016/08/02
    "その人の状況にもよるが、トラムセットないしトラマールは、むずむず足症候群に有効な薬物"