【ソウル=水沼啓子】大規模なサイバー攻撃を受けた韓国で10日、攻撃に悪用されたパソコンのファイル情報が自動的に削除される被害も起き、韓国放送通信委員会によると、この日午後8時現在、被害報告は約360件にのぼった。韓国政府は、ハッカーが侵入したとみられる91サイトを遮断するなどの対策を取り、サイバー攻撃の被害は収まりつつあるという。 また、韓国の情報機関、国家情報院は10日、国会情報委員会に対し、サイバー攻撃に使われたIPアドレス(ネット上の住所)は日米中など16カ国の86個にのぼることを明らかにした。 北朝鮮は含まれていないが、国家情報院は、北朝鮮の「祖国平和統一委員会」が米国主導のサイバー戦の合同訓練に韓国が参加する動きを非難している点などから、サイバー攻撃は北朝鮮または親北勢力によるものと推定しているという。