■前編はこちらから。 マカオの経済成長は、中国とは切り離せない関係にある。ちょうど世界同時不況に陥り、有名ホテルが建設の中断を発表。労働者を大量に解雇したニュースが世界を駆け巡った。が、ここで言う「不況」とはアメリカ発の同時不況とは異なる。同国のカジノ関係者がこう声を潜める。 「米国系の某カジノが、マカオで得た収益をそっくりそのままシンガポールのカジノ建設の費用に充ててしまった。この行為に中国政府が大激怒。中国人観光客の渡航を月1回という規則を設けて、経済発展のスピードを低下させたんです」 こんなデータがある。06年にマカオを訪れた観光客は2,200万人だった。上位の観光客を分類すると、中国本土から1,200万人、香港から700万人。観光客の約8割は中国人であり、裏を返せば中国政府は自国の富裕層の増加で個人消費が海外に流出することに懸念を抱き、カジノを主軸としたマカオへの観光誘致に躍起にな