玉手 でも、実際に学生たちに話を聞いてみると、彼ら彼女らは、なかなか前向きに物事に取り組めなかったといいます。時間はたっぷりあって、ネット上に情報もたくさんある。でもレポートを書く気になれない。授業動画も頭にはいってこない。とはいえサボって他の何かをしたいというわけでもない。なんとなく力のでない日々を過ごしていた、と。 なぜそうなってしまったのか、いろいろ説明はできると思うのですが、一つには、学生たちが「自尊心を欠いた状態に陥っていたから」なのではないかと思うのです。ここで自尊心というのは、元の英語ではセルフリスペクトですから、自分自身を尊敬し信頼する心のありようです。言い換えれば、自分の人生や自分の活動には価値がある、と思えることです。 ひっくり返すと、自尊心を欠くということは、自分の人生や活動には価値があると思えなくなってしまうということです。そういう状況では、頑張る気になれない、とロ