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ブックマーク / gendai.media (10)

  • 自尊心は、人間にとって「贅沢品」なのか…決してそうではないと考えられる「深い理由」(玉手 慎太郎)

    玉手 でも、実際に学生たちに話を聞いてみると、彼ら彼女らは、なかなか前向きに物事に取り組めなかったといいます。時間はたっぷりあって、ネット上に情報もたくさんある。でもレポートを書く気になれない。授業動画も頭にはいってこない。とはいえサボって他の何かをしたいというわけでもない。なんとなく力のでない日々を過ごしていた、と。 なぜそうなってしまったのか、いろいろ説明はできると思うのですが、一つには、学生たちが「自尊心を欠いた状態に陥っていたから」なのではないかと思うのです。ここで自尊心というのは、元の英語ではセルフリスペクトですから、自分自身を尊敬し信頼する心のありようです。言い換えれば、自分の人生や自分の活動には価値がある、と思えることです。 ひっくり返すと、自尊心を欠くということは、自分の人生や活動には価値があると思えなくなってしまうということです。そういう状況では、頑張る気になれない、とロ

    自尊心は、人間にとって「贅沢品」なのか…決してそうではないと考えられる「深い理由」(玉手 慎太郎)
    danse
    danse 2024/06/30
    “でも、実際に学生たちに話を聞いてみると、彼ら彼女らは、なかなか前向きに物事に取り組めなかったといいます。時間はたっぷりあって、ネット上に情報もたくさんある。でもレポートを書く気になれない。”
  • 私たちには「資本主義の道しかない」は本当なのか(酒井 隆史)

    グレーバーが示した「もう一つの道」 かれの死は、そんな未到の高みにまで上昇していく知的冒険の只中のものだった。 その死を悼む声は世界中から響いてくる。研究者のみならずかれに接してきた世界中の闘う人々からである。かれの知的活動は「この道(資主義)しかない」というポスト冷戦イデオロギーに断固として抗い、人類のもつはてしない可能性を開いてみせるものだった。かれの仕事に専門領域を超えた普遍性を与えていたのは、その可能性への確信だったことはまちがいない。 その早逝がアカデミズム内外の人々にショックを与えている理由のひとつは、かれが「これからはじまる時代」の人だったことである。かれは、崩壊しつつあるこの世界の行く末にわたしたちが慄くなかで、広大な視野と強靱な知性の裏づけをもって楽天的に来るべき世界の礎をこつこつと築いていた。その途上だったのである。 それでも、かれの教えてくれたものは多くの人の胸に残

    私たちには「資本主義の道しかない」は本当なのか(酒井 隆史)
    danse
    danse 2023/12/24
    “かれは、崩壊しつつあるこの世界の行く末にわたしたちが慄くなかで、広大な視野と強靱な知性の裏づけをもって楽天的に来るべき世界の礎をこつこつと築いていた。”
  • 「損をしないこと」は正しいか?人生振り回されないために大切なこと(水野 しず)

    世の森羅万象から独自の思考を展開するPOP思想家の水野しずさん。 ボンヤリ生きてるつもりでも、いつのまにか、1分でも早く目的地に着く行き方だったり、1円でも多く還元される膨大なポイントだったり、損をしてはいけない、得をすべきだ、という考え方に支配されるようになってしまってる気がする。 それって私たちが当にしたかったことなのだろうか? ユーモアを交えつつ、親切で丁寧に、不透明で生きづらい現代人に少しでも生きやすい考え方を提案する水野しずさんの話題の論考集『親切人間論』からの特別無料抜粋掲載。 第5回は、「損をしない」ことは当に正しいですか?

    「損をしないこと」は正しいか?人生振り回されないために大切なこと(水野 しず)
    danse
    danse 2023/04/15
    “新たなお役立ち情報が発見される頃には当初のお役立ちの効果が終了しているので結果同じところを周回しているだけで効率が良くならなさそうな徒労感がある。”
  • 水野しずが見た、需要があるから行動する人と自分に動機がある人との「決定的な差」(水野 しず)

    SNSの発展で、誰もが発信者になれるようになって久しい。けれど当に発信したくてそれをしてる人ってどれくらいいるのだろう? POP思想家・水野しずさんは、SNSに溢れる「需要ありますか?」という問いかけから、人間の行動原理のままならなさを見る。そして「需要を気にする人」と「気にしない人」の差、それこそが「実力」の問題なのだと提案する。 各界に多くの支持者を持つPOP思想家の水野しずさんが、ユーモアを交えつつ誰とも違う視点で哲学する初の論考集『親切人間論』から特別抜粋掲載でお届けする第3回は、そんな実力の新しい定義に関する考察。 「需要ありますか?」はSNSで定型句 「需要ありますか?」 という質問が、SNS上では半ば定型句と化している。 「私のメイク配信って需要ありますか?」 「サブチャンネルでバイクの話しようと思ってるのですが、需要ありますか?」 定型句だから応えるフォロワーも、「はい需

    水野しずが見た、需要があるから行動する人と自分に動機がある人との「決定的な差」(水野 しず)
    danse
    danse 2023/04/02
    “世間一般的に需要があるかどうかではなく自分の内心に物事を行ったり金銭を支払ったりする動機を見出せる人物のことを私は「実力者」と呼んでいる。”
  • 水野しずが伝える「良かれハラスメント」“良かれと思って”の奥底に潜むもの(水野 しず)

    絶対に侵害してはいけない領域 実際の間接民主政治がそうであるように、結局のところは誰の意見でもない最大公約数を場の総意として取り扱う決定があまりにも自然裏に発生する。しかし公共の利益という側面でそれは間違っていないのです。 ここで我々が改めて意識しなければならないのが「公的」と「私的」という概念です。 飲み会でシェアされる唐揚げのレモンは「公的」な立ち位置なので、賛否両論はあれど最大公約数的な形で公の利益を優先する発想には何の問題もありません。 一方で「私的」なものとしての判断。これは絶対に侵害してはいけない領域です。何をもって良いとするかは自明に人にしか判断ができないからです。 しかしながらここで、問題を複雑にしているのが先ほども申し上げた「正常な判断基準を有した成人」というガイドラインであって……。 そもそも人間というものは、根的に全面的に、発生した瞬間から完全にトチ狂っている。

    水野しずが伝える「良かれハラスメント」“良かれと思って”の奥底に潜むもの(水野 しず)
    danse
    danse 2023/04/02
    “そもそも人間というものは、根本的に全面的に、発生した瞬間から完全にトチ狂っている。”
  • スローライフが、むしろ資本主義を「加速」させるという皮肉な現実(河南 瑠莉) @gendai_biz

    主義をスローダウンさせる思想 近年「加速主義」という考え方が注目を集めている——それは、人工知能や自動化といった技術発展を加速させ、テクノ資主義を際限なく推し進めた先に、現存する民主主義とは異なる新たな秩序の獲得を試みる「ダーク」な思想として紹介されることが多い。 SFじみた突飛な思想に聞こえるかもしれないが、世界に目を向ければ、同様の考え方に基づいて政策を打ち上げる政治家や加速主義的な可能性に言及する科学者などは、少なくない。 こうした一見「危うい」思想を目の当たりにして、それに対する反動のように、より人道的だと想像される「減速」を掲げたムーヴメントが流行するのは、ごく自然な流れだろう。スローフードにスローライフ、エコでオーガニックな田舎暮らしや、地域アート・地産地消などに代表されるローカリズム運動……こうした動きは、地球上のいたるところに散見される。 こうした「減速」の思想は、一

    スローライフが、むしろ資本主義を「加速」させるという皮肉な現実(河南 瑠莉) @gendai_biz
    danse
    danse 2022/10/23
    “「加速的」減速主義者たちは、程よく心身の疲労を緩和することが、より効率的で生産的に、つまりよりスマートに加速社会へと参加するための条件であることを充分に自覚している”
  • 「フェミニズム叩き」「女性叩き」で溜飲を下げても、決して「幸せにはなれない」理由(ベンジャミン・クリッツァー) @gendai_biz

    弱者男性論とは何か インターネットの世界には「弱者男性論」と呼ばれる議論が存在する。弱者男性論とは、その名の通り、自分が「弱者」であると自称する男性たちが、自分が感じているつらさや苦しみを訴えて、自分たちの境遇の改善を求める議論だ。 典型的な弱者男性論者とその読者(以下、あわせて弱者男性論者と呼ぶ)は、自分たちのことを「非モテ」や「キモくて金のないおっさん」と自嘲的に表現する。そして、彼らが言う「つらさ」の内実とは、経済的な困窮に関するものである場合もあるが、大半においては「女性」が関わるものだ。 弱者男性論者は、「自分には経済的能力がなく、またコミュニケーション能力にも欠けており外見的な魅力がないから、ガールフレンドやを得ることができない」と自己認識したうえで、異性のパートナーがいないことで生じる孤独感や承認の欠如などのつらさを訴えている。 弱者男性論の特徴のひとつは、自分たちのつらさ

    「フェミニズム叩き」「女性叩き」で溜飲を下げても、決して「幸せにはなれない」理由(ベンジャミン・クリッツァー) @gendai_biz
    danse
    danse 2022/10/18
  • SNSで「無邪気に」感想が言えない…Z世代の「奇妙な謙虚さ」(稲田 豊史) @gendai_biz

    映画やドラマなどの動画を初見で「倍速視聴」「10秒飛ばし」する習慣が広がる背景について考察した筆者の記事「映画を早送りで観る人たち」シリーズ(全9回)は昨年、SNSで大きな話題になり、テレビなどのメディアにも取り上げられた。それだけ世間の関心が高いテーマであることを改めて実感した次第である。 先日、同シリーズに追加取材と大幅な加筆を行った『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』(光文社新書)というを出した。同書中、倍速視聴積極派のひとりとして登場するのが、ゆめめさんだ。 彼女は1995年生まれの、いわゆるZ世代。1974年生まれである筆者の“常識”からすれば、その視聴スタイルは驚くことばかり。対談の後編となる今回は、倍速視聴を“せざるをえない”Z世代のメンタリティを深堀りする。 Z世代の“奇妙な謙虚さ” 稲田 書を読まれて、つまり自分たちの行動が2

    SNSで「無邪気に」感想が言えない…Z世代の「奇妙な謙虚さ」(稲田 豊史) @gendai_biz
    danse
    danse 2022/04/19
    "だから私なんてまだまだ……と思ってしまうんです。だから私たちって、 自分の好きなものを「好き」とSNSで無邪気に言いにくいんですよ。"
  • 人文知を「絵空事」と呼ばせないために大学人が実践すべきこと(水越 伸)

    東大教授2人に現代新書とブルーバックスの編集者3人がお題エッセイを無茶ぶりする「2×3」シリーズも、いよいよ最終回。 最後のお題は「絵空事」。水越伸教授は「空想的社会主義」と呼ばれた概念から、鮮やかに突破口を開いてくれました。 「ははは、それはジャーナリズムじゃないですから」 ジャーナリズムという言葉を聞くといつも思い出す光景がある。 1980年代半ば、東京大学新聞研究所の大学院に入った僕は、60年代に名を馳せたジャーナリズム論の先生のゼミに出席していた。 ある日のゼミで先生は学生たちに、「ところでみなさんは新聞ジャーナリズムのどこに興味がありますか」と尋ねられた。その時、教室にはたしか5〜6名の大学院生がいて、ナショナリズムと全国紙の関係、明治期ジャーナリストとしての福澤諭吉、テレビ・ジャーナリズムとの比較について、などと答えていたと思う。 僕は「新聞の販売店網に興味がある。新聞がどのよ

    人文知を「絵空事」と呼ばせないために大学人が実践すべきこと(水越 伸)
    danse
    danse 2022/01/16
  • 非常時だからメディア・リテラシーが大切という声がうさん臭い理由(水越 伸)

    “フェイクニュースにだまされないために、メディア・リテラシーを身につけよう!” ――いや、そんな上から目線で言われなくたって、そうそうデマを信じたりしないでしょ! なんでメディアって代物は、人をバカみたいに扱おうとするんだ? 東大教授「お題エッセイ」、当の当に最終回。「寄生虫」をテーマに水越伸氏は、メディアをめぐる「うさん臭さ」を突破する対案まで考え抜きました。1万字に到達した大作、ぜひご堪能ください。 「正しく恐れる」の薄気味悪さ 新型コロナウイルスの感染拡大が日で大きな話題となりはじめた3月前半、マスメディアで「正しく恐れる」という言葉がよく使われていた。 その頃の私たちは、豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で感染者が続出しはじめたのを知り、ようやくこの事態を我が事として感じるようになっていた。横浜港に停泊中の船を映す現場レポートや感染症の専門家からのコメントのあとに、

    非常時だからメディア・リテラシーが大切という声がうさん臭い理由(水越 伸)
    danse
    danse 2022/01/16
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