2023年10月2日 掲載 一橋大学在学中に映画美学校とのダブルスクールにチャレンジし、学生時代には短編映画を、卒業後すぐに長編映画を撮り、映画監督としての経験を培ってきた三宅唱。2012年には長編第2作『Playback』がスイスのロカルノ国際映画祭に正式出品され、2022年に発表した『ケイコ 目を澄ませて』では主演女優が日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞に選ばれている。中学3年生で映画づくりに目覚めた三宅は、一橋大学という環境から何を吸収し、そのキャリアをどのように築いていったのだろうか。(文中敬称略) 三宅 唱(みやけ・しょう) 一橋大学社会学部在学中2007年に映画美学校第10期フィクション・コース初等科を修了。2009年に一橋大学社会学部卒業。2012年監督作品『Playback』で第27回高崎映画祭新進監督グランプリ、第22回日本映画プロフェッショナル大賞 新人監督賞受賞。20
写真研究や美術批評の分野で活動する村上由鶴が、ファッション界を取り巻くイメージの変化や、新しいカルチャーの行方について論じる本連載。第7回は、現在公開中の Greta Gerwig (グレタ・ガーウィグ) 監督最新作の『Barbie (バービー)』について。Margot Robbie (マーゴット・ロビー) がバービー役を、Ryan Gosling (ライアン・ゴズリング) が恋人のケン役を演じ、制作中から何かと話題を集めていた注目作から改めて、ジェンダー論を考察。※ネタバレ注意 なぜ、バービー? バービーは、言わずと知れた着せ替え人形ですが、この映画以前からフェミニズムや人権の文脈では、たびたび論争の的になってきました。 バービー人形が、長らく「美女」の理想像を世界中の小さな女の子たちに刷り込んできたこと。そしてそれへの反省から、同じ「バービー」という名前で、さまざまな人種や、さまざまな
フード あの映画のシーンに憧れて、アメリカの深夜飯を作る。 Macaroni & Cheese 2023年2月2日 西麻布の『AC HOUSE』の黒田敦喜さんは映画好き。最近は、Netflixで配信中の映画『マルコム&マリー』を観て、劇中に登場するマカロニ&チーズが気になっているらしい。そう言われて映画を観てみると、主人公が深夜にガールフレンドと大喧嘩しながらガツガツ食べているそれは確かにやたらおいしそうに見える。映画でよく目にするアメリカのソウルフード“マックェンチーズ”(ネイティブっぽく発音)。日本ではさほど馴染みないけれど、アメリカでは「Kraft」をはじめ、様々なメーカーからインスタント商品がラインナップされ、深夜飯の代表格的存在。この映画の中でもカップ麺を作るようにテキトーに作っていたけれど、即席に頼らず、ちゃんと料理するとどんな味なんだろう? ならばと、パスタ料理も得意とする黒
I sit up straight, look him in the eye and say this: “I don’t think anyone in their right mind believed that Quentin Tarantino is going to retire from making motion pictures at the age of 60. “I don’t f*cking believe it. Forgive my language.” He smiles: “That’s OK.” I continue: “Forgive me, the Nigerian side of me does not believe it, OK? The English side of me might believe it. I don’t know if th
映画史上最高のベストセックスシーン50サイレント映画やハリウッドのお色気コメディなど、映画のベストセックスシーンをランキング形式で紹介 タイムアウト東京 > 映画 > 映画史上最高のベストセックスシーン50 映画史の中で「セックス」は、スクリーンを焦がし、胸をときめかせ、人々を解放するものだ。しかし、セックスは売れるということから、論争の種をもまいてきた。 優れたセックスシーンには、衝撃的な瞬間であったり、痛快なコメディのオチであったりと、さまざまなものがある。そして時には、素晴らしいセックスシーンが検閲の壁を打ち砕き、インクルージョンとセックスポジティブの新時代の到来を告げることもあった。 今回「史上最高のセックスシーン」のランキングを作成するにあたり、映画における肉欲の知識を総動員した。タブーを押し広げるような挑発的な作品から、時代の流れを変えるような重要な作品、エロティックなものから
『ケイコ 目を澄ませて』 配給:ハピネットファントム・スタジオ ©2022映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS 2022年12月16日から公開された三宅唱監督の最新作『ケイコ 目を澄ませて』。16ミリフィルムで映し出された、澄み渡るような光、しんと静まり冴え冴えとした空気。寡黙なケイコの目に映るもの、そして流れる時間を丁寧に映し取り、積み重なる小さな瞬間そのひとつひとつにかけがえのなさを感じさせる、紛れもない傑作だ。この作品がどのようにして撮られていったのか、ひとつの映画をつくるまでに何をして、何を考えてきたのか。三宅監督と映画監督の濱口竜介氏、映画研究者の三浦哲哉氏の鼎談をお届けする。 数年前から定期的に映画演出の勉強会を継続しているお三方ならではの、徹底的に演出について検討する問いかけと応答は、実に3時間半にも及んだ。じっくりとお楽しみいただきたい
母にクリスマスに何が欲しいかを尋ねる息子。彼女は望みを一つずつ語り始める。そのウィッシュリストは、息子だけでなく、このパンデミック禍の中で生きる若者全てに贈るものだった。 【クライアント】Penny 【広告会社】Serviceplan Germany 【制作会社】Iconoclast Germany 時間0:03:49国ドイツジャンルブランデッドムービー年2021
10. THE FIRST SLAM DUNK 主将である赤木剛憲を筆頭に、宮城リョータ、桜木花道、流川楓、三井寿ら神奈川県立湘北高校バスケ部のメンバーたちは「全国制覇」を目標に掲げ、バスケと向き合っていく。 当たり前だけど、映画に何を求めるかによって見え方って違うよなって心底思った。 自分は原作(と呼ばれるものがあれば)への忠実さとか、あるいはノスタルジーみたいなものには本当に興味がない。知っているものよりも知らないものの方が光って見えてしまう。だから、まさか2022年に公開されるスラムダンクの映画にそんなことを考えさせられるとは思いもよらなかった。なんなら自分は今作において「映画」を見に行くという事前の心持ちすらなかった。だって知っている物語の、絶対に面白いってわかっている試合が描かれるなんて、そこに新鮮さがあるわけない。だから見た後に今作がどうしようもないくらい「映画」であることにめ
(C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会 言葉とは何だろう。言葉が通じるとは、話をするとは、どういうことだろう。言葉を使うことは否応なく、言葉を使わなければ出会うことのなかった深い深い孤独と対面することでもある。同時に、言葉がなければ見ることのできない祝福の光を浴びることでもある。そのような孤独の暗闇と、トンネルの先にある朝の海のような眩しい光とのあわいを、一台の赤い車が走ってゆく。 『ドライブ・マイ・カー』という映画について語る時、まず僕はこういった抽象的なイメージを語らなければならない。すぐさま細部を語るには、あまりにこの映画の引力が強すぎる。 文・すなば 1991年生まれ。会社員として働く傍ら文筆家として活動。海とシティが好き。2021年10月に初の単著『さよならシティボーイ』(トーキョーブンミャク)刊行。 →『さよならシティボーイ』について詳しくはコチラ 本当は誰も、同じ言
10. ザ・スーサイド・スクワッド ジョーカーと別れて彼氏募集中の身になり、ますますクレイジーになったハーレイ・クインを筆頭に、最強スナイパーのブラッドスポート、虹色のスーツに身を包んだ陰キャのポルカドットマン、平和のためには暴力もいとわないという矛盾な生き様のピース・メイカー、ネズミを操って戦うラットキャッチャー2、そして食欲以外に興味のないキング・シャークという、いずれも強烈な個性をもった悪党たちが、減刑と引き換えに、危険な独裁国家から世界を救うという決死のミッションに挑む。 これが別の監督の映画なら、頻出する"鳥"や"ネズミ"のモチーフは空と地上(もしくは地下)という上下の関係をイメージさせるだけのものにすぎないけれど、この映画を撮ったのは他の誰でもないジェームズ・ガンその人だ。 だとすると、次々人が無惨に死んでいくこの映画の中で一番最初に血を流すのが"鳥"であることからはTwitt
パルプ・フィクションのヴィンセントと、レザボア・ドッグスのヴィックは兄弟だった。 クエンティン・タランティーノ監督の映画に散りばめられた、「作品間リンク」を辿る。 僕の心のヒーローであるクエンティン・タランティーノ。ヒップホップ的なサンプリング感覚や、あと僕の86年生まれという世代的なものも手伝って、本当に好きです。いまだにキャスト発表とかスチル公開とか、次回作に関する小出しの情報をいちいち楽しみにしてたりする、僕にとってはそういう存在です。 さて、彼の作品には様々な「遊び」が散りばめてありますが、その中でも最も有名なものに、「作品間のリンク」があります。マーベル映画のヒーローたちが共存する世界観を「マーベル・シネマティック・ユニバース」と表現しますが、最近ではタランティーノの一連のこの遊びも「タランティーノ・シネマティック・ユニバース」とか呼ばれているようです。
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