実際の出産シーンをクライマックスにした劇映画が10日、公開される。映画倫理委員会(映倫)は当初、モザイク処理での上映としていたが配給会社の強い要望で再審査し、「R18+(18歳未満観覧禁止)」の指定付きで無修正公開を許可。出産シーンが無修正なのは日本映画史上初で、出産シーンがわいせつにあたるかどうか、今後議論を呼びそうだ。 この映画は、第30回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)や釜山国際映画祭でグランプリを受賞した「無防備」(市井昌秀監督)。 プラスチック工場で働く主人公の主婦が新人の妊婦の指導をするうちに自分の不幸な人生を見つめ直し、その過程における心の葛藤(かっとう)を描いた作品。クライマックスで、市井監督の妻で女優の今野早苗さんが産婦人科の分べん室で実際に赤ちゃんを産む場面が克明に撮影されている。 昨年7月にPFFのコンペティション部門に出品された際、映倫は出産シーンにモザイク処理