『あの会社はこうして潰れた』(藤森徹/日本経済新聞社) 読者は、元AKB48のメンバー、Sが監修・デザインしていたファッションブランド「ricori」を覚えているだろうか。同ブランドを扱うアパレル企業「リゴレ」は2014年7月に営業を停止。現在も再開の見通しは立たず、このまま休眠企業になる可能性が高いという。 「AKB48」という看板を引っ提げ、新宿のルミネエスト、梅田の「HEP FIVE」、福岡の博多阪急といった有名どころに出店し、当時勢いに乗っていた「ricori」ブランドだったが、その華々しさの裏で何があったのか。企業信用調査マン、藤森徹氏の著書『あの会社はこうして潰れた』(藤森徹/日本経済新聞社)よりご紹介したい。 「ricori」は洋服、靴、アクセサリーを中心に、AKB48のファン層である10~20代の女性を主なターゲットとして展開していた。Sの知名度こそが最大の強みだが、同時に