『侍女の物語』(マーガレット・アトウッド:著、斎藤英治:訳/早川書房) 『侍女の物語』(著:マーガレット・アトウッド、訳:斎藤英治/早川書房)が再び注目されている。カナダ人作家マーガレット・アトウッドが1985年に発表した『侍女の物語』は、ベストセラーとなり多数の有名文学賞を受賞した近未来ディストピア小説だ。日本では1990年に新潮社より単行本として刊行され、2001年に訳注などを追加した本書が早川書房より刊行された。 ■健全な女性が“産む機械”と化したディストピア 本書の舞台はギレアデ共和国。近未来のアメリカにキリスト教原理主義勢力によって建てられた国家である。ユダヤ人などは国外に追放され、原発事故や環境汚染で人口は減少。ギレアデの独裁のもと人口を取り戻すべく、数少ない健康な女性は資産を凍結され、子供を産むためだけに支配層の家に「侍女(じじょ)」として送り込まれる。主人公のオブフレッドも
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