7月20日(金)に公開された映画『未来のミライ』(監督・脚本・原作:細田守/スタジオ地図作品)の映像表現の魅力を、美術史という視点からひもといた書籍『細田守 ミライをひらく創作のひみつ』が刊行された。8月6日(月)には、銀座 蔦屋書店で、細田守監督と著者の松嶋雅人氏(東京国立博物館研究員)によるスペシャル対談が行われる。 「千年を超える美術史の、一番新しい一年の中に『未来のミライ』の挑戦がある」と語る細田守の出発点は、画家になることだったという。映画も美術史2000年の美の大系の中にあるという細田作品の表現とは、いったいどういうものなのか? 東京国立博物館というナショナルギャラリーで、日本美術を中心として多彩なキュレーションを行ってきた松嶋雅人氏が、美術史の最先端表現としてのアニメーションや、美術との関わりから見る細田作品の革新性と魅力について細田守本人と語り合う、このイベントでしか聞けな
『蹴爪(ボラン)』(水原涼/講談社) 次世代を担うにちがいない作家の初の単行本がついに発売された。『蹴爪(ボラン)』(講談社)は、水原涼氏による初めての単行本。水原涼氏は平成元年、1989年生まれ、2011年に近親相姦を扱った衝撃作「甘露」で文學界新人賞を受賞、同作がいきなり芥川賞候補にもなった新進気鋭の作家だ。今回の単行本は、「群像」に掲載された2編の小説をまとめたもの。どちらの作品も、アジアとヨーロッパの島を舞台とした挑戦的な作品で、異国を舞台にしてはいるが、強く心揺さぶられる。思うようにいかない青春の日々を生き抜く彼らの姿は、私たちの姿だ。期待の新鋭の作家・水原涼氏はどんな作品を紡ぎ出したのか。純文学ファンとしては読まないわけにはいかない。 表題作「蹴爪(ボラン)」の主人公は、東南アジアの島の少年・ベニグノ。闘鶏場で胴元を務める父親・パウリーノが、悪魔から村を守る祠をつくる責任者とな
今から数年ほど前に、某シャンプーのCMの「カワイイはつくれる!!」というキャッチフレーズが話題になった。しかし、その言葉に疑いを持っているこじらせ女子もいるのではないだろうか。そんな方にこそ読んでほしいのが『カワイイ私の作り方』(日本文芸社)だ。本作は元ビューティーアドバイザー(BA)の六多いくみ氏による美容法が盛り込まれたコミック本で、今すぐ実践できる「カワイイの作り方」が詰まっている。 主人公であるこじらせアラサー女子の浅黄秋(あさぎ みのり)は同棲していた5年越しの彼氏に振られたことがきっかけで、自分とはまったく違うキラキラ女子の蒼井春乃と出会う。秋は当初、「私はカワイイ女にはなれない」と諦めを抱いていたが、「可愛いは作れるのよ?」という春乃の言葉を聞き、自分自身の可愛くない部分を改善しはじめていくようになるのだ。 本作の中でキラキラ女子代表として描かれている春乃は、男性を自然に褒め
五十嵐大介の漫画『海獣の子供』が、長編アニメ映画化することが明らかになった。原作ファンからは、「これ絶対面白いやつじゃん!」「海の描写がどのように描かれるのか今からワクワク」と早くも期待の声が上がっている。 『海獣の子供』は第38回日本漫画家協会賞優秀賞や、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。さらに第12回手塚治虫文化賞にノミネートを果たすなど高い評価を得ている。原作は“海を舞台とした生命の秘密”をテーマにし、圧倒的な画力と繊細な描写で人と自然世界の繋がりを描いた作品。夏休みに友人とトラブルを起こしてしまい行き場をなくした少女・琉花は、海を自由自在に泳ぐ1人の少年“海”と出会う。さらに現れたもう1人の少年・空。海と空がジュゴンに育てられたと知った琉花は、出会ってから不思議なことが起こり始めたと気づく。そして3人は海中でジンベエザメが光となり消える姿を目撃。その直後に空の体が
『東校舎、きみと紡ぐ時間』(桜川ハル/スターツ出版) この小説にときめかなかったら、何にときめくのだろう?……というくらい、「胸キュン」が詰まった新米教師と女子高校生の恋愛小説『東校舎、きみと紡ぐ時間』(桜川ハル/スターツ出版)。 高校生の咲楽愛子(さくら・あいこ)は、新米教師の小寺一平(こでら・いっぺい)に恋心を抱いている。小寺は、生徒たちから「イッペー君」と呼ばれ慕われている人気者だ。 気さくで明るく、ちょっとドジで無遠慮に見えて優しくて、子どもみたいな性格なのに、タバコを吸ったり、ふとした拍子に「大人の男性」である瞬間が垣間見えたり……いつの間にか、そんなイッペー君を好きになってしまった愛子は、親友にもその想いを秘密にしていた。 しかしイッペー君には、どうやら青春時代に悔いを残していた恋愛があるようで……。その人のことを、まだ好きなのだろうか? 愛子は悩みながらも、気持ちが抑えられず
『「少年ジャンプ」 黄金のキセキ』(後藤広喜/ホーム社) 2018年7月、漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』は創刊50周年を迎えた。653万部という、一週の発行部数としては驚異的な数字をたたき出してギネスにも登録された雑誌ゆえ、漫画好きでなくともご存じの向きは多いはず。その人気は当然ながら、掲載されてきた漫画作品によるもので、50周年記念号である2018年33号には歴代漫画家の直筆サイン色紙が居並んでいる。現在の読者の中には『男一匹ガキ大将』や『トイレット博士』などの漫画を知らない人がほとんどであろうが、これらの連載作品が『ジャンプ』の50年を支えてきたのである。そしてその足跡を伝えるべく上梓されたのが『「少年ジャンプ」 黄金のキセキ』(後藤広喜/ホーム社)だ。 著者の後藤広喜氏は『週刊少年ジャンプ』四代目の編集長を務めた人物である。昭和45年の4月、前年の10月に週刊化されたばかりの『少年ジャ
『夜が終わるまで』(西田ヒガシ/祥伝社) 爆発的な大ヒット作があるわけではないのだが、ストーリーの「圧倒的な魅力」に、着実にファンを増やし続けているBL作家、西田ヒガシ先生の最新作『夜が終わるまで』(祥伝社)が発売された。 堅物検事の日浦(ひうら)は、ある男に抱かれる夢を、繰り返しみるようになった。男は、とある暴力事件に巻き込まれ、生死不明になっている弁護士、影山(かげやま)。酔ったチンピラに絡まれ「殺されたかもしれない」彼は、日浦の司法研修所の同期で、数少ない友人であり、また、ひそかに「気になる相手」でもあった。 生真面目で親しい友人もいなかった日浦にとって、気さくで明るく、いつも人の中心にいる影山は魅力的な存在。そして一見リア充に見える影山も、心の底では日浦の生き方に憧れを抱いていた。だが二人は自分の気持ちを明らかにすることなく、検事と弁護士として、それぞれの道を歩むことになる。 だが
『ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本』(樋口 進:監修/講談社) 数年前、パソコンのMMO(大規模多人数型オンラインゲーム)などにハマり、生活のすべてを捧げてしまう“ネトゲ廃人”という言葉が話題になった。今やネットに接続する端末の主流はスマートフォン(以下、スマホ)に切り替わった印象もあるが、手元でいつでも操作できる利便性から、日常で“依存”を自覚する人たちも多いかもしれない。 今年に入り、WHO(世界保健機関)がオンラインゲームなどに熱中して生活に支障をきたす症状を「ゲーム障害」として認定したのも記憶に新しい。社会的な対策も進む中で、世の中に警鐘を鳴らす本『ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本』(樋口 進:監修/講談社)が刊行された。 私たちとスマホやネットとの関係に、ハッとさせられる内容がまとめられている。 ●ネット依存・ゲーム依存になりやすい/なりにくい人の傾向 依存とはそもそも「
毎日暑い日が続いていますね。そんな日は、食卓に並ぶ料理も、さっぱり・ひんやりしたものが多くなってきます。でも、そんな暑い夏だからこそ食べて欲しい料理があります。それは“みそ汁”。なんでわざわざ暑い時に熱いものを、と思うかもしれませんが、実はみそ汁は、自然と水分と塩分補給ができて、熱中症対策に効果的と言われているんです。そんなみそ汁ですが、いざ食べようと思っても、意外とあまりレパートリーがなかったりしませんか? そんな時には『みそ汁はおかずです』(瀬尾幸子/学研プラス)が使えます。本書は「日販実用書ブックフェスタサミット2018」において、参加書店が最も売りたい本を投票して決める「第5回実用書ブックフェスタ大賞」大賞を受賞しています。 一般的なみそ汁よりも、野菜などがたっぷり入っているため健康的で、満足感があるレシピがたくさん紹介されています。また、料理が苦手な人でも作れるように、材料は写真
「あー、もうでかけるのに、着替えさせなきゃ。また洗濯物…もう遅刻しちゃうよー怒りたくないのにまた怒っちゃったし…ほんとにもう……あ、今日は雨だった!泣きたいのはこっちだよ…」 子育ては簡単なことではない。子どもはかわいいはずなのに、毎日イライラしてしまって全然子育てを楽しめていない。そんな世の母親に向けて「がんばってもどうにもならないこと」を「なんとかするために」おすすめしたいのが『今日は、子供が可愛く見える ママのゆるコツ事典』(渡辺のぞみ/文響社)である。 本書は、ドタバタな毎日をこなすためのゆる~いコツが満載の、幕の内弁当のような本だ。前半の誌面には朝起きてから出かけるまで、ワーキングママの職場でのふるまい方、帰宅後の家事や寝かしつけまでに必要なコツが、後半には、夫婦のきずなを深めるコツ、祖父母と上手につきあうコツ、そしてセルフケアや子どもとの一日を楽しむためのアイディアが掲載されて
『隣り近所のトラブル解決』(荒井総合法律事務所/法学書院) いつの時代もご近所トラブルが絶えない。「騒音」「悪臭」など、たいてい家で過ごすときにトラブルに遭うので、逃げ場がなくストレスが鬱積していく。さらに解決の手段も見えづらく、会社の嫌な上司よりもタチが悪い……。 一軒家や分譲マンションになると、「ここはウチの敷地だ!(=越境)」「日当たりが悪くなった……(=日照権)」などの問題もあるだろう。 話し合いでトラブルを解決できない以上、その先にあるのは「法律」しかない。 『隣り近所のトラブル解決』(荒井総合法律事務所/法学書院)では、法律のプロである弁護士がご近所トラブルの解決方法をアドバイスしている。さっそくその一部をご紹介していこう。 ■騒音に困ったときは ご近所トラブルのうちトップクラスで多いのが、騒音問題ではないだろうか。 ご近所の騒音を差し止める請求や損害賠償を求めるときに重要にな
『一番伝わる説明の順番』(田中耕比古/フォレスト出版) 「説明する」ということの難しさを感じる場面はないだろうか。人は十人十色だからこそ、自分の頭の中にあるものを相手の頭の中に伝えるという行為は時としてかなり厄介な作業となる。特に営業職の方などは、その商品のプロとしての知識をまったくの素人である顧客に理解してもらい、その上で長所を感じてもらわなければならない。冷静に考えてみると、これはかなりすごい仕事だ。 「難しいことをわかりやすく話す」というのは、賢い人であれば皆ができるというわけでもないらしい。学生時代を振り返ってみても、専門知識は豊富だが説明がわかりにくい先生はごまんといた。 たかが説明、されど説明。そんな奥深くて難しい「説明」の技術が明かされた本、『一番伝わる説明の順番』(田中耕比古/フォレスト出版)は、「何をどの順番で話すか」を意識するだけで、その説明の結果・評価・印象が劇的に変
『会社を辞めたいと思ったとき読む本』(門脇竜一/さくら舎) どんな人でも働いていれば職場に不満を抱くもの。「上司と合わない」「仕事が向いてない」「地方へ転勤される」など挙げればきりがない。女性なら、「セクハラを受けた」「産休や育休が取りづらい」なども加わる。そんな不満を感じたとき、あなたは転職を考えたことはないだろうか。 転職や会社を辞める前に少し立ち止まって考えてみよう。『会社を辞めたいと思ったとき読む本』(門脇竜一/さくら舎)は、一部上場の有名企業に入社しながら5回の転職を繰り返し、人事研修コンサルタントとして起業した著者が、自分に合った職場を見つける方法をレクチャーしている。 職場に不満を感じたとき、転職すべきか、留まるべきか、冷静になって判断しよう。まず現状を整理する要素が3つある。それは「人」「目的」「基本条件」だ。 「人」は、上司や同僚についてだ。尊敬できる人、魅力的な人がいれ
あなたは、自分の月収に満足していますか? 現実的に「自分の収入を上げたい」と考えるとき、真っ先に思いつくのは「出世」と「転職」だろう。しかし、今の時代、20年30年と同じ会社で働いたとしても、順調に給料が上がっていく保証はない。「転職」はしやすくなってきているが、相応のスキルがなければ、いきなり大幅な収入アップは見込めない。そんな状況に置かれる現代の会社員に対して、本書『お金のポケットが増える スゴイ!稼ぎ方』(山﨑拓巳/かんき出版)は、“お金のポケット(=収入源)”を増やすことを推奨している。 例えば、「会社員が月30万円の収入を1.5倍に増やす」ことを考えてみよう。会社員は、会社がリスクを負ってくれる代わりに、高い成果を出したとしても急激に給料が上がるわけではないから、本業の収入だけで45万円を達成するのはむずかしい(もしくは、時間がかかる)。しかし、別の仕事で15万円を稼ぐ、もしくは
いくつになっても人間関係には悩まされる。性格の悪い人と付き合わなくてはならないのも大変だが、「あなたのためを思って…」という善意で人の行動を支配しようとしてくる人が一番厄介だ。相手からすれば、「善意だから」と全く悪気はないに違いないが、そういう人は遠慮なく人の領域に踏み込んでくる。「人間関係に疲れたな…」という人は、まずはこの「バウンダリー診断」で自分がいくつ項目にあてはまるか、今の状況を知っておこう。 「バウンダリー」とは「自分と他人の間にある境界線」のこと。人間関係が錯綜している現在、まず自分を大切にする=自分の領域を守ることを優先することが大切だ。そうしないと、人間関係のせいで疲労、消耗してしまって、あげくの果てには身体を壊してしまうことも。 この診断では、自分が他人からどれだけ影響を受けやすいかがわかる。10以上当てはまってしまう人も決して少なくはないかもしれない。そういう人は、他
『女は「政治」に向かないの?』(秋山訓子/講談社) 2018年5月16日、「候補者男女均等法」が参院本会議で全会一致で可決・成立した。これは国会議員や地方議員の候補者数を「できるだけ」男女均等になるように政党に促すもので、法案の制定に深く関わっていたのが野田聖子・総務大臣兼女性活躍担当大臣だ。野田大臣はこれまで一貫して、政治分野における女性の参画を訴えてきた。しかし2017年の衆院選挙での女性当選者は10.1%しかいないのが現状だ。 果たして女性は政治に向かないのか。そんな疑問を解決してくれそうなのが、『女は「政治」に向かないの?』(秋山訓子/講談社)だ。 同書は野田大臣や、彼女とともに男女共同参画に取り組んできた小池百合子東京都知事をはじめ、山尾志桜里、辻元清美、中川智子、高井美穂、嘉田由紀子の各議員がどう生まれ育ち、どう議会で奮闘してきたかを紹介している。スキャンダルに揺れた山尾志桜里
「朝型生活をしなさい」「“朝活”がいいらしい」…世の中のいたるところで、朝早く起きて勉強や仕事、運動などに打ち込むことが推奨されている。私自身も、子供のころから親には毎日のように「朝早く起きなさい!」言われてきたし、個人的な体感としても午前中の過ごし方によってその日の充実度が変わることもわかっている。 そう、わかってはいる…のだが、「わかっている」と「できる」の間には、天と地ほどの差がある。学生時代は毎日遅刻ギリギリの時間にしか起きられなかったし、ライターの仕事を始めてからも「キリのいいところまで」とつい夜ふかししてしまうため、午前中に有意義な活動をできたことなどほとんどない。珍しく早く起きられた日も、ボーッと朝のニュース番組を見ているといつのまにか時間が過ぎている…。 そんな私にも「これならできそう!」と思わせてくれた朝活本が『成果を出す人、出せない人との大きな違い その『1分』を変えな
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