日本では約30年にもわたって「3年で3割の新卒者が離職する」状況が続いている。コストをかけて学生を採用した企業にとっても、そのような現状は由々しき事態だ。離職に歯止めをかけられない理由は何なのだろうか。そして、離職者を減らす方法はあるのだろうか。 ここでは、長年人事業界に携わる辻太一朗氏、曽和利光氏の著書『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(星海社新書)の一部を抜粋。3年以内に離職してしまう新入社員たちに見られる傾向を紹介する。(全2回の2回目/前編を読む) 何十年も続く「3年で3割の新卒者が離職」する事実 厚生労働省が2020年に実施した調査によると、2017年3月に大学を卒業して就職した大卒の新卒社員のうち、3年以内に仕事を辞めてしまう人は32.8%でした。その内訳を見てみると、1年以内に辞めた人は11.6%、2年以内が11.4%、3年以内が9.9%となります。