SNS(ネット交流サービス)で殺人事件の被害者や遺族について不適切な投稿をしたなどとして、裁判官弾劾裁判所に訴追された仙台高裁の岡口基一判事(56)の弁護団は2日、弾劾裁判(裁判長・船田元衆院議員)の初公判で「裁判官の威信を失わせる非行には該当しない」と訴追内容を否認した。岡口判事は「表現行為の中には不適切なものがあり、深くおわび申し上げたい」と謝罪した。 弾劾裁判が開かれるのは9年ぶり。過去の裁判では訴追された8人のうち7人が罷免された。この7人はストーカーや児童買春で有罪になるなどした裁判官で、大半は最高裁が裁判官訴追委員会に罷免を求めた。岡口判事については、最高裁は分限裁判で戒告処分が相当と判断したものの、遺族らの請求により訴追された。SNSへの投稿を巡る訴追は初めてで、弾劾裁判所の判断が注目される。