京都地方検察庁では,検察官が,朝日新聞京都版(不定期木曜朝刊)に連載中の「司法Voice」という記事に,「司法の現場で心に残ったエピソード」を寄稿しています。 今回,朝日新聞データベースセンターから許可を得て,これらの記事を「京都地検検察官の声」として,当庁HPで改めて紹介させていただくこととなりました。 なお,検察官の個人名及び顔写真については不掲載とさせていただきます。 検事2年目のことです。小学2年生の女児を人気のないところに連れ込み,突然キスなどをしたとして強制わいせつ罪に問われた70代の男の事件を担当しました。 男には前科がありました。数十年前の強姦事件です。しかし,刑務所に服役した後は逮捕された前歴はありませんでした。 「数十年間,どんな生活をしてきたのか。なぜ再び事件を起こしたのか。服役した経験は全く生かされなかったのか」。私は,そう思いました。 男は取り調べで,一人暮らしの