早く安く、成功するアイデアかを確かめるとはいえ、サヴォイア氏が本書で説くのは、そうしたリスクばかりではありません。金銭的・時間的損失をミニマムに抑えつつ、新しいアイデアに市場性があるかを確かめる手段も提示しています。 それが「プレトタイピング」です。 初めて聞く言葉だと思いますが、それもそのはず。これは、サヴォイア氏の造語で、「プロトタイプ」をもじったものです。「プレ」という接頭語には、プロトタイプよりも「前」の工程という意味合いと、「プリテンド」(ふりをする)の意味が含まれています。 サヴォイア氏は、プレトタイピングには、プロトタイプをしのぐ大きなメリットがあると力説します。その1つが、期間・費用がかなりかかるプロトタイプよりも、圧倒的に早く安くできるという点。 もう1つは、アイデアのコンセプト自体がそもそも間違っているかどうかを早期に検証し、ダメだとわかったら傷が浅いうちに撤退できると