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ブックマーク / xtech.nikkei.com (103)

  • 「欧米企業に普通にある部門」がない日本企業、それじゃDXなんてできるわけないぞ

    当に失敗したな。まさにそう思う。何の話かというと、欧米の企業には「プロセスオフィス(Process Office)」と呼ばれる部門が普通にあるのに、日企業には全くと言ってよいほど存在しないことについて、あまりに問題意識がなさ過ぎたのを悔やんでいるのだ。よくよく考えると、このプロセスオフィスに相当する部門がなければ、DX(デジタルトランスフォーメーション)なんてできるわけがないのだ。で、「IT部門がDXの実行部隊となって……」などと言っていたら、まさに噴飯ものである。 私と同様に、「プロセスオフィスだって? そういえばそんな話を聞いたことがあるな」といった程度の認識の読者は多いだろう。というか「何だ、それ」という読者が大半かもしれない。それぐらいプロセスオフィスは日企業には縁遠いのだ。さて、記事の書き出しがこうならば当然、まずはプロセスオフィスとは何かを説明するのが筋だ。だけどねぇ、プ

    「欧米企業に普通にある部門」がない日本企業、それじゃDXなんてできるわけないぞ
  • ネスペ試験の設問不備で全員が1問正解扱いに、何が問題だったのかを検証する

    情報処理推進機構(IPA)が運営する情報処理技術者試験の1つ、ネットワークスペシャリスト(ネスペ)試験は、ネットワークに関する専門的な知識を有する証明として根強い人気を誇る。筆者は2022年から受験を始め2連敗中だ。「3度目の正直」と自分を奮い立たせて今年の試験に挑戦した。 ネスペ試験は選択式の「午前1」「午前2」、記述式の「午後1」「午後2」の4つの試験から成る。午前9時30分から絶え間なく続く試験、高難度の午後問題に直面し、午後1を受け終えた時点で結果も気力もボロボロだった。しかし、ここまできたからには、せめて最後まで受けてから散りたい――。祈るような気持ちで午後2の問題冊子を開いた。 問1はVXLANに関する問題。見た瞬間に諦めた。問2のページを開いたところ、目に飛び込んできたのはメールセキュリティーの問題だった。「ネスペ試験になぜ」と思ったが、送信ドメイン認証「SPF」や「DKIM

    ネスペ試験の設問不備で全員が1問正解扱いに、何が問題だったのかを検証する
  • マルカワみそで個人情報約9万人分が流出、原因は決済アプリの改ざん

    老舗味噌メーカーのマルカワみそは2024年4月2日、自社が運営する「マルカワみそ公式サイト」に第三者の不正アクセスがあり、顧客のクレジットカード情報5447件分、個人情報8万9673人分が漏洩した可能性があると発表した。原因は第三者からの不正アクセスによるペイメントアプリケーションの改ざんだったという。 クレジットカード情報が漏洩した可能性があるのは、2023年3月11日~11月13日の間、公式サイトでクレジットカード決済した顧客およびサイトのマイページでクレジットカード情報を登録・変更した顧客4851人(5447件)。カード名義人名やクレジットカード番号、有効期限、セキュリティーコードの情報が漏洩した可能性があるという。また個人情報が漏洩した可能性があるのは、公式サイトの立ち上げから2023年11月13日までの間、同サイトで購入した顧客またはサイトのマイページに登録した顧客8万9673人

    マルカワみそで個人情報約9万人分が流出、原因は決済アプリの改ざん
  • 「最も使っている」プログラミング言語で異変、前年首位のJavaが王座陥落

    ITシステムを効率良く開発するには、実装する機能に合わせたプログラミング言語の選定が重要になる。現在、多種多様なプログラミング言語が存在するが、言語によって実装しやすい機能が異なるためだ。 システムの機能が多岐にわたる中、日経クロステックの読者はどのような言語を利用しているのか。これを確かめるため、日経クロステックではアンケート調査「プログラミング言語利用実態調査2023」を実施した。調査期間は2023年9月21日~10月18日。358人から回答を得た。 Pythonが首位をキープ アンケートではまず、現在使っているプログラミング言語を3つまで挙げてもらった。利用言語の第1位は「Python」だった。回答者358人うち45.3%の162人が使っているという結果だった。 「あなたが現在使っているプログラミング言語は何ですか」という設問に対する回答の内訳。最大3つ選択してもらった。グラフには回

    「最も使っている」プログラミング言語で異変、前年首位のJavaが王座陥落
  • 「生成AIは何に使えるか」はもはや愚問、活用して需要を突き止めたダイキン工業

    ChatGPTの登場から早1年がたとうとしている。生成AI人工知能)をどう生かすかが企業の競争力を分ける時代が迫る中、先行企業は一歩踏み込んだ活用に乗り出し始めた。セキュリティーを担保するオリジナルの仕組みを実装したり、自社の業務に合わせてチューニングを施したりといった具合だ。 ChatGPTをお試しで利用する段階は終わりを告げ、いよいよ企業独自の取り組みで差がつく段階に突入している。日企業における意欲的な取り組みを追った。 全社に展開してニーズを把握 「生成AIが与えるインパクトや、技術との親和性を考えると、絶対に必要になると確信した」――。このように話すのはダイキン工業の清木場卓IT推進部IT企画担当課長兼テクノロジー・イノベーションセンター主任技師だ。 ダイキン工業は2023年2月、いち早く生成AIへの取り組みを始めるため、先進技術の活用提案をする組織「IT創発グループ」に生成A

    「生成AIは何に使えるか」はもはや愚問、活用して需要を突き止めたダイキン工業
  • 第7回 集合論――数学の「集合論」に,RDBの正体を見る

    リレーショナル・データベース(RDB)のデータ構造やSQL命令による様々なデータ操作については,多くの人が知っていることだろう。しかしRDB技術の根底にある「集合論」を詳しく語れる人は少ないはずだ。集合論とRDBの結びつきを理解すれば,RDB質が見えてくる。 ITエンジニアの皆さんなら,米IBMサンノゼ研究所に在籍していたE.F.コッド博士(Edger.F.Codd,1923~2003)をご存知だろう。コッド博士は1970年,「A Relational Model of Data for Large Shared Banks(大規模共有データバンクのためのリレーショナル・モデル)」という有名な論文を発表した。現在の「リレーショナル・データベース(RDB)」(「関係データベース」とも呼ぶ)は,この論文が起源となって誕生したものだ。 コッド博士が数学の「集合論」を基に,表を使うRDBの仕組

    第7回 集合論――数学の「集合論」に,RDBの正体を見る
  • 第2回 ソフト開発の3つの契約形態、成果物責任の免責が不可欠

    システム開発契約には、「請負型契約」「委任型契約」「混合型契約」の大きく3種類があり、受注者であるソリューションプロバイダには、それぞれメリットとデメリットがある。現在、受注者側が成果物に責任を負う請負契約が主流だが、契約時には、請負責任に関する免責事項を明確にしておく必要がある。 システム開発におけるトラブルは、ユーザー企業のソフト開発の目的や適用業務を、開発委託先であるソリューションプロバイダがきちんと理解できていないことが原因であることが少なくない。 その点からは、業務内容やシステムに必要な要件を最もよく分かっているユーザー企業のSE自らが開発する「自社開発」が望ましい。だが実際には、多くのユーザー企業にとって、自らが十分なシステム開発の経験や技術を持つことは難しく、ソリューションプロバイダに開発を委託することになる。 システム開発を外部に委託する契約には、(1)開発請負契約型、(2

    第2回 ソフト開発の3つの契約形態、成果物責任の免責が不可欠
  • ChatGPTで広告会社の組織激変、サイバーでは30人以上いたディレクターがゼロに

    ChatGPTがデジタル広告の業界構造をつくり替えつつある。大手各社は、ChatGPTを生かして開発したAI人工知能)システムをバナー広告の制作工程に導入。広告制作の生産性向上に成果を上げている。広告制作に携わる人員構成の見直しや、顧客企業から受け取る報酬の体系にメスを入れる動きも始まった。 デジタル広告の中でもChatGPTの影響をもろに受けているのがキャッチコピーの文言をつくる作業だ。商材の種類や想定する閲覧者の属性といった情報を入力すると、瞬く間にキャッチコピーの文言が自動生成される。 ChatGPTをはじめとする生成AIをデジタル広告制作に積極的に活用している1社が、デジタル広告最大手のサイバーエージェントだ。同社は自社開発のデジタル広告制作支援システム「極予測AI」を使い、新たにつくったバナー広告の内容をAIが解析して広告効果の予測値を算出。既に配信しているバナー広告のうち広告

    ChatGPTで広告会社の組織激変、サイバーでは30人以上いたディレクターがゼロに
  • 事業会社とコンサルが技術者吸い込む SIerの人手不足が危ない

    1人の転職活動に10社以上が内定を出すほど、ITエンジニアの争奪戦が激化している。背景には、事業会社やコンサルティング会社が採用を強化していることがある。しわ寄せが行くのは中堅・中小のベンダーだ。生き残るすべを見つける必要がありそうだ。 パーソルキャリアが発表した2022年12月の「エンジニアIT・通信)」の転職求人倍率は、12.09倍と全職種でトップだった。前年同月比で2.21ポイント増、前月比で1.64ポイント増と人気に拍車がかかっている。 2023年1月のITエンジニア転職求人倍率は11.17倍と前月比で0.92ポイント下がった。それでも全体平均の2.34倍を9ポイント近く上回っている。

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  • データ分析に必要な内容を凝縮、『最短コースでわかるPythonプログラミングとデータ分析』

    ●価格:3190円(税込)●ISBN:9784296201129●発行日:2022年12月19日●著者名:赤石雅典 著●発行元:日経BP●ページ数:408ページ●判型:A5変 身近なデータをPythonで分析できるようになるための知識を、最短コースで身に付けられるです。Pythonのホントの基から、データ分析に必要なPythonライブラリの使い方、データ分析の実践例までを一気に学べます。プログラミングの経験がない方もこの1冊を読めば、実際のデータ分析を始められます。 ベストセラーの『最短コースでわかる ディープラーニングの数学』『Pythonで儲かるAIをつくる』などを執筆した著者が送るデータ分析AI書籍の第4弾。いつもの平易な解説で、初学者も安心して学べます。 書は次のような方に最適です。 (1)プログラミング言語自体を知らないが、データ分析のためにこれから勉強したいという方 (

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  • 立川市役所の庁内LAN障害、原因は「Edgeブラウザーへの移行」

    2022年6月27日、東京・立川市役所で大規模な通信障害が発生した。出先機関を含めた1000台以上のパソコンで終日、窓口作業ができなくなった。庁内LANの心臓部となるコアスイッチの障害が原因だった。コアスイッチに向けて大量の通信が発生し、メモリー不足に陥った。原因特定に時間がかかり、完全復旧に1週間を要した。 グループウエアの挙動がどうもおかしい――。東京都立川市役所の庁舎内がざわつき始めたのは2022年6月27日、始業時刻である午前8時半ごろのことだ。ほどなく市役所のITインフラストラクチャー運営を担う総合政策部情報推進課のもとに、「窓口業務用の情報システムにアクセスしづらい」「内線電話が通じなくなった」といった職員らの困惑した声が続々と寄せられるようになった。 情報推進課はただちに障害箇所の特定に乗り出した。庁内ネットワークのメンテナンスを委託している保守事業者と連絡を取り合い、担当

    立川市役所の庁内LAN障害、原因は「Edgeブラウザーへの移行」
  • スプラトゥーン3の通信に欠かせない、UDPとNAT越えを理解しよう

    2022年9月9日、「スプラトゥーン3」が発売されました。とても楽しみにしていたのですぐに買いました。発売から1月半ほどたってこの文章を書いていますが、いろいろなステージで様々なブキを使ってインクを塗り合い楽しくプレーしています。ちなみに今のウデマエはS+30になったところです。 この特集は、人気のスプラトゥーン3を通して、最新の通信技術の基を学んでしまおうというものです。前半の今回はスプラトゥーン3を含むオンラインゲームの通信技術を解説します。後半となる次回は、実際にスプラトゥーン3のパケットをキャプチャーして、それらの通信技術が実際にどのように使われるのかを見ていきます。 なお記載内容については、筆者や編集部独自の考察や推測によるものであり、任天堂の公式見解ではないことを明記しておきます。 オンラインゲームを実現する通信技術、UDPとは 一般的なコンピューターが通信を行う主な方法にT

    スプラトゥーン3の通信に欠かせない、UDPとNAT越えを理解しよう
  • 「時系列分析」にはグーグルやフェイスブックが考案した最新手法がお薦め

    ビジネスでデータサイエンスを活用するシーンとして、過去データを使って将来を予測するタイプの問題がある。商品販売数や店舗売上高など、折れ線グラフを使って表現するようなデータ(時系列データ)に基づいた時系列分析だ。過去の販売データに基づいて翌月の発注量を決めたり、3年後など中長期の計画を策定したりするのに使う。今回は、この時系列分析に活用しやすい3つのアルゴリズムを見ていこう。 Prophet

    「時系列分析」にはグーグルやフェイスブックが考案した最新手法がお薦め
  • パナのLEDスタンドで異常発熱、原因はICの静電破壊

    2022年1月、LEDデスクスタンド(以下LEDスタンド)を使っていたユーザーから、プラスチック樹脂のベース(台座部分)の一部が高温で溶けて変形し、置いてあった畳が焦げたとの連絡が、製造元のパナソニックに入った。 その後、同年2~3月にかけてやはり同じ製品のベースの一部が溶ける事故が立て続けに3件発生。同社が調査したところ、静電気を帯びたユーザーが金属めっき部分に触れた際に、静電気が製品内部の回路基板へと伝わり、集積回路(IC)が故障したために発熱したとの結論に至った。同社は、同年5月16日に当該製品のリコールを発表した(図1)。 ベース(台座)の底部分が発熱して溶けた。写真はホワイト仕上げの「SQ-LD420-W」。ダークグレーメタリック仕上げの「SQ-LD420-K」と合わせて約3.9万台がリコール対象となった。(写真:パナソニックの写真を基に日経クロステックが加工) 詳細は後述するが

    パナのLEDスタンドで異常発熱、原因はICの静電破壊
  • だれも教えてくれなかった外部設計の「極意」---目次

    外部設計書で最も大切なことは,「システム開発を依頼してきたお客様」(発注者)に読んでもらい,理解してもらうことです。外部設計書を,開発メンバーではなく,発注者に理解してもらうためには,「いかに発注者にとって分かりやすい外部設計書を作成できるか」と「レビューを通じていかに合意形成を図るか」が重要になります。連載では,発注者が理解しやすい外部設計書の書き方とレビューの方法に関する具体的なノウハウを解説していきます。 第1回 ユーザーと意思疎通が図れない外部設計書は危ない 第2回 [システム振舞い編]一覧表に一工夫入れることで漏れや重複をなくす 第3回 [システム振舞い編]全体を俯瞰でき,システム化範囲が一目で分かる業務フローを作成する 第4回 [システム振舞い編]発注者が理解しやすいシナリオの記述方法 第5回 [画面編]見れば“わかる”「画面レイアウト」の作り方 第6回 [画面編]画面遷移を

    だれも教えてくれなかった外部設計の「極意」---目次
  • Wiresharkでできないことができる、パケット解析×プログラミング

    新型コロナウイルス禍で企業ネットワークの姿が変わってきています。ネットワーク管理にも変化に対応した手法が求められています。この特集ではネットワークを流れるパケットをキャプチャーして収集し、Pythonとリレーショナルデータベースを用いて精度よく解析するための実践的なテクニックを紹介します。第2回はパケット解析のツールとしてよく使われる「Wireshark」で「できる」こと、「できない」ことを通してパケットキャプチャーにプログラミングを導入する背景やその考え方を解説します。 パケット解析をする際によく使われる「Wireshark」をご存じでしょうか。オープンソースソフトウエア(OSS)として現在も活発に開発が続けられています。もはや業界標準と言っても差し支えないポピュラーなツールです。パケットキャプチャーの参考書などでは必ずと言っていいほど取り上げられており、Wiresharkの使い方がパケ

    Wiresharkでできないことができる、パケット解析×プログラミング
  • ポートVLANとタグVLANの違いとは?

    今回は、VLANによってどのようにネットワークを分割するのか、そのイメージをつかもう。 VLANの方式の中でもっともよく使われる「ポートVLAN」と「タグVLAN」を解説する。 複数の仮想スイッチで分割 VLAN対応スイッチでは、仮想的に作られたスイッチ、いわゆる仮想スイッチがスイッチ内部で動いている。スイッチの物理ポートを仮想スイッチのポートに割り当てることで、ネットワークの分割を実現している。 図では、スイッチの物理ポート1、3、4を左側にある緑色で示した仮想スイッチにつなぎ、残りの物理ポート2、5、6を右側にあるオレンジ色で示した仮想スイッチにつないでいる。 物理ポート1に接続したパソコンがブロードキャストパケットを送り出すと、物理ポート3、4につながったパソコンにはパケットが届く。しかし、仮想スイッチ同士ではイーサネットフレームは中継しないので、物理ポート2、5、6につながったパソ

    ポートVLANとタグVLANの違いとは?
  • バーチャルLANとは何か(前編)――LAN構築のテクニック

    図1●他部門からのアクセスを防ぐ方法 他部門からのアクセスを防ぐ方法。(a)はサーバーでユーザー認証する方法。(b)はLANスイッチのVLAN機能を使う方法 業務グループ別のサーバーをLAN上に設置すると,そのLANに参加しているユーザーはどのサーバーにもアクセスできることになる。この場合,業務グループによっては,自分たちの業務サーバーに対して他の業務グループからは参照されたくないというニーズが出てくる。 このようなニーズに対する技術的な解決方法は大きく二つある。一つはサーバーの認証機能を活用し,あらかじめ登録したユーザーだけにサーバーのアクセス権限を与える方法。もう一つは,LANを業務グループごとに論理的に分ける方法である。 前者の方法は,サーバーを立てるときの一般的な運用である。サーバーごとにユーザーを登録し,アクセスする段階でID/パスワードで登録済みユーザーかどうかをチェックする(

    バーチャルLANとは何か(前編)――LAN構築のテクニック
  • 《日経Robotics》ラズパイ4の新GPUをハックしてディープラーニング推論を高速化、ベンチャーIdeinはなぜ開発できた?

    IoT向けの安価な小型コンピュータとして注目を集める「Raspberry Pi(ラズパイ)」の全シリーズに、GPUが標準搭載されていることをご存じだろうか。 元は教育用途として始まった同デバイスだが、ユーザーが3次元グラフィックスに触れられるよう、米Broadcom社製のメインチップにGPUコア「VideoCore」が搭載されているのである。 IoTやAI技術を手掛ける日のベンチャー、Idein(イデイン)は、このラズパイ1~3のGPUをディープラーニング(深層学習)推論のアクセラレータとして使えるようにしたことで知られる1)。このラズパイのGPUは米NVIDIA社のGPGPUと異なり、グラフィックス以外の汎用演算を行うための開発環境やツールがチップ開発元から提供されている訳ではない。 誌が2019年3月号で解説したように、Ideinは当時、公開されている命令セットアーキテクチャ(IS

    《日経Robotics》ラズパイ4の新GPUをハックしてディープラーニング推論を高速化、ベンチャーIdeinはなぜ開発できた?
  • 第1回 幅優先探索の基本

    皆さんは、アルゴリズムと聞いて、何を思い浮かべますか? 多くの人は「プログラミングの基礎技術で、学ぶべきもの」という認識を持っていて、実際に書籍などで学習したことのある人も多いでしょう。しかし、一方で「実際にプログラミングを行う上では何に役立つかよくわからない」とも感じているのではないでしょうか? 例えば、アルゴリズムの書籍では様々なソートアルゴリズムが紹介されていますが、一つ覚えてしまえば実用上困らないでしょうし、そもそも大抵の言語にソート関数は標準で用意されています。最短経路問題を解くことができるダイクストラ法は非常に有名なアルゴリズムですが、実際に自分のプログラムで使ったことがある人はほとんどいないのではないでしょうか? そういった、使いどころが見いだせない「アルゴリズム」を、具体的な問題に対して適用していく際の考え方を紹介しようというのが、この特別連載です。ここでは数あるアルゴリズ

    第1回 幅優先探索の基本