関西のイントネーションが時折交じる穏やかな口調とにこやかな笑顔。良い意味で、ピリピリとする緊張を感じることなく取材できる相手だった。しかし状況ごとに具体的な数値を示しながら、よどみなくチームの戦術を語る姿には、取材中から感銘を受けた。 その相手とは、眞鍋政義全日本女子バレーボールチーム監督である。2012年の「ロンドン五輪」の出場権を懸けた大会「FIVBワールドカップバレーボール2011」が、11月4日から国内各地で開かれる。この重要な大会に備え、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)で選手たちと合宿中の10月1日に訪ねた。 なぜ眞鍋監督を取材したのかといえば、逆境を勝ち抜く知恵の持ち主と考えたからだ。近年、企業の経営環境は逆境続きである。2008年秋のリーマン・ショック以降、東日本大震災に超円高、欧州経済危機と切りが無い状態だ。こうした状況から、毎年利益を伸ばすような企業は少