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ブックマーク / ameblo.jp/kyupin (381)

  • 『成人ADHD患者における併存障害(イーライリリー社のパンフレットから)』

    上はイーライリリー社のADHDに関するパンフレット。これは、「さまざまな精神疾患はADHDが隠れているかもしれない」と注意喚起するもの。なお、この資料は2016年12月とあるので、まだ最近のパンフレットである。 上は表紙、1ページ目だが一番下の辺りに、成人期ADHD実臨床における診断プロセス(監修:埼玉医科大学名誉学長 山内俊雄先生/東京都立小児総合医療センター顧問 市川宏伸先生)とクレジットされている。 これはADHDの人たちがどのような経過で精神疾患を合併するか、イラストで紹介されている。(このページの最後の辺りに出典が記載されている)。 今日の記事はこの3ページ目を参考にしてほしかったのでアップしている。このようなパンフレットだが、背景にADHDがあると思われる患者さんに渡すと、皆、妙に納得する。(ここが統合失調症との大きな相違)。 上にあるように(下の段)、成人ADHDの患者さんの

    『成人ADHD患者における併存障害(イーライリリー社のパンフレットから)』
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    diet55 2017/02/23
    成人ADHD患者における併存障害(イーライリリー社のパンフレットから)|kyupinの日記 「精神疾患患者における成人期ADHDの割合(海外)双極性障害 10.8%」 「成人ADHD患者における併存障害(海外) 双極性障害 8.3%」
  • 『少量のラミクタールは数種類の薬のバランスの悪さを改善する』

    今回の記事はちょっと特殊なものである。ある患者さんが転院で初診したとき、いかにも薬のバランスが悪いと感じることがある。数種類バラバラに薬が入っていて、急に変更が難しいと思われるとき、少量のラミクタールを追加することで、全体のバランスの悪さを改善することがある。患者さん人からの言葉としては、 なんだか、ギクシャクしていたのが取れました。 とか、 気分が楽になりました。もう大丈夫です。 と言った感想が聴ける。また医師の感じる印象は、表情がすっきりするとか、感情表現がシャープになるなどで感じ取ることができる。 以前は、もう少し異なる感覚、例えば、ラミクタールが心の風通しを良くするといった印象であったが、あまりにも異なる色々な薬のパターンでも生じることや、その感覚の出現時期などを考慮すると、そのようなものだけではなく、ラミクタールが潤滑剤のような働きをしているのではないかと思うようになった。 例

    『少量のラミクタールは数種類の薬のバランスの悪さを改善する』
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    diet55 2017/02/17
  • 『確定申告での医療費控除』

    今週日曜日は確定申告の医療費控除やふるさと納税書類の整理をしていた。2月16日から確定申告が始まるからである。(3月15日まで) 医療費控除は従来の制度だと、家族の医療費が10万円を超える部分にのみ控除が適用されていた。この制度だけだと、若い人たちは年間医療費が10万円を超えることは稀なので、恩恵がほとんどない(総所得金額200万円未満の人は総所得金額の5%)。 しかし歯科などで健康保険が効かず、なおかつ控除が効く治療をした場合、しっかり計算して確定申告した方が良い。ただし、その10万円を超える金額に税金がかからないだけで、そのままその超える金額が戻ってくるわけではない。 なお2017年の確定申告から10万円のハードルが高いこともあり、「スイッチOTC薬控除」という特例が作られている。これは1年間に街の薬局で購入した市販薬が1万2000円を超えると、所得から控除できると言うものだ。これはお

    『確定申告での医療費控除』
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    diet55 2017/02/14
    確定申告での医療費控除|kyupinの日記 「自立支援法が適応され、1か月2500円までの支払いで済む人が多い上、多くの税金を支払うほどの収入がある人も稀なので、医療費控除が生きるのは世帯主が高額所得者で、子供がまだ
  • 『双極性うつ状態での尿失禁、夜尿について』

    双極性障害で重いうつ状態に至ると、尿失禁や夜尿が起こることがある。これは、色々な原因があるが、ひとめ躁うつ混合状態であれば、起こっても全くおかしくない。 研修医の頃、あるアルバイト先にまだ20歳代前半の若者が入院していた。院長によると、精神病にならなければ、たぶん東大に合格できるほど優秀だったらしい。 彼は病状が重くなると、躁うつ混合状態に至り、尿失禁、便失禁していたが、その度に院長に叱責されていた。 僕は何度か叱責されている場面を見ていたことがあるが、表情もうつろで、院長の話をしっかり聴いているのかどうかも定かではなかった。清明な時期の彼と話した時とは雲泥の差と言えた。 今考えると、彼は非定型精神病的な病像だったと思うが、いつも診ていたわけではないので、確定的には言えない。少なくともカルテの記載は統合失調症の診断ではなかった。 現代的には、若いのに病態が重くなり尿失禁や便失禁が生じるケー

    『双極性うつ状態での尿失禁、夜尿について』
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    diet55 2017/02/02
  • 『冬季の双極性うつ状態とガバペン』

    デパケンRとガバペンはいずれも抗てんかん薬だが、前者は単剤投与できるが、後者は単剤投与できない。デパケンはリーマスと双璧と言える古典的気分安定化薬だが、近年では抗てんかん薬でもあるラミクタールがこれに加わる。 ラミクタールは双極性障害うつ状態に有効と言われるが、この説明は、躁状態に比べよりうつ状態に適しているといったところで、劇的に効く人はむしろ少ない。 双極性障害うつ状態はしばしば冬季に悪化し、次第に暖かくなるにつれて温和な躁状態に移行し、うつ状態が緩和する傾向がある。 今回の記事は、このくそ寒い時期、希死念慮に苛まれている人たちへの治療アイデアである。 臨床では、新規抗てんかん薬のガバペンが双極性障害うつに有効な場面に遭遇する。そのような人はデパケンRに比べ、むしろうつ状態への効果が期待できるように見える。元々、ガバペンは単剤投与できないので、双極性障害の場合、デパケンRないしリ

    『冬季の双極性うつ状態とガバペン』
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    diet55 2017/01/20
  • 『重いインフルエンザと精神症状の改善について』

    あけましておめでとうございます。今年もよろしく。 新年、最初のエントリは精神科に関係のない記事をアップすることが多いが、今年に限れば、無関係の記事が続いていたので、精神科の話にした。 一般的に重いインフルエンザに罹患すると、感染症治癒後にそのままうつ状態に至る人がいる。これはそう見えるだけではなく、過去にインフルエンザの大流行とその後、うつ状態に移行した論文がかなり昔に発表されている。重いインフルエンザは、うつ病、うつ状態に関しては悪化要因なのである。 ところが、躁状態ないしちょうど興奮状態にある統合失調症の人は精神症状が改善するケースが散見される。これは上の話を総合すると、インフルエンザなどのウイルス感染症がその人のテンションをかなり低める傾向があることを意味している。 最も良いのは、躁状態が改善してしまう人である。重く処方しなくてはならないところが、そこまでしなくて済むことがある。特に

    『重いインフルエンザと精神症状の改善について』
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    diet55 2017/01/03
    重いインフルエンザと精神症状の改善について|kyupinの日記 気が向けば更新 「特に躁状態を収めることに難渋している患者さん、とりわけ非定型病像に関しては、天の恵み的なインフルエンザである。」
  • 『シクレストの秀逸なパンフレット』

    今回は、シクレストのなかなか秀逸なパンフレットをアップすることにした。 「あれ、スターウォーズの後半は?」と思うかもしれないが、直接、精神科に関係のない記事を続けるのは読者の方も退屈だと思うので。それでも、年内にはアップする予定。 上のパンフレットは、Meiji Seika ファルマ株式会社による「統合失調症におけるシクレストへの切り替えのポイント」と言うタイトルが付けられている。(監修:関西医科大学、木下利彦教授) 上は、統合失調症の慢性化で辿る精神機能の低下のあり方(バリエーション)をグラフ化したもの。基的に、再発がより悪い経過になりやすいことを示している、 下のグラフは、シクレストの効果の発現の流れである。「まあ、2週間は観察しないと、有意差が出るほどは改善しないよ」と言う意味だが、初期からなだらかに改善は診てとれるケースもあり、短い期間でこの薬が合っているかどうかわかることも多い

    『シクレストの秀逸なパンフレット』
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    diet55 2016/12/20
    シクレストの秀逸なパンフレット|kyupinの日記 気が向けば更新 シクレストは日本では双極性障害に未対応。
  • 『自閉スペクトラム症の易刺激性に対するエビリファイの有効性と安全性』

    今回は大塚製薬のパンフレットから、自閉スペクトラム症の易刺激性に対するエビリファイの有効性と安全性についての資料をアップしてみた。ただし、この資料ではN数はあまり多くはない。 上はエビリファイという向精神薬のまとめ的なページ。4に安全性について記載されている。国内臨床試験において安全性解析の対象となった88例中、臨床試験値の異常を含む副作用が64例(72.7%)に認められたとある。 主な副作用は、傾眠48.9%、体重増加18.2%、流嚥9.1%、欲亢進9.1%、悪心、6.8%、欲減退6.8%、倦怠感5.7%であった。 上はエビリファイの作用機序について説明。 小児期自閉スペクトラムに伴う易刺激性に対する短期試験。変化について、プラセボと比較されている。上記によると、対象は小児期の行動障害(かんしゃく、攻撃性、自傷行為)を伴う7~17歳の自閉性障害患者92例。 向精神薬のこのような調査の

    『自閉スペクトラム症の易刺激性に対するエビリファイの有効性と安全性』
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    diet55 2016/12/15
  • 『サインバルタ、よくある質問 (最後)』

    Q9、サインバルタと妊娠について教えてください。 A9、サインバルタの添付文書では最初の禁忌の欄に妊婦は挙がっていません。日の添付文書では、サインバルタは「治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ、妊婦ないし妊娠している可能性がある患者さんに投与する」といった記載です。 あのモーズレイの最新(12版)の処方マニュアルでさえ、「妊娠中の抗うつ剤の治療は一般的である。オランダでは最大2%の妊婦が妊娠第一三半期に、アメリカでは10%の妊婦が妊娠中のいずれかの時点で抗うつ剤を服薬している。またその割合は増加している」と記載してます。 イギリスでは、抗うつ剤を投与されている妊婦は妊娠の早期に服薬を止めてしまう(6週以内)と言われており、この辺りにもイギリス人の向精神薬嫌いが顕れていると思われます(むしろ、モーズレイのマニュアルはその過敏さに辟易しているような記載になっていることが興味深い)。 モー

    『サインバルタ、よくある質問 (最後)』
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    diet55 2016/12/07
    サインバルタ、よくある質問 (最後)|kyupinの日記 気が向けば更新 「Q9、サインバルタと妊娠について教えてください。」
  • 『悪筆の話』

    僕はいつの頃からか字が汚くなり、近年、更に読み辛くなってきている。子供の頃、習字では入選や特選くらいになっていたので、大変な悪筆化である。当時から、鉛筆などの字はそうきれいでもなかったが、汚いと言うほどでもなかった。 おそらく、今でも美しく書くことに集中すればまあまあなんだと思う。自分の母親は自分より遥かに字が上手く、更に母方の叔父は草書風にしか書かないが、とても美しく書ける(読みよいかと言えばそれは別)。 大学の入学試験では、化学Ⅱは設問に筆記が多く急いで書いていたこともあり、見直した時、あまりの字の汚さに教官がしっかり読んでくれるか心配した。しかし、いったん書いた長文を書き直すほどの余裕などない。 それでも、学生時代はまだマシだったと思う。良く考えると、自分の友人で悪筆でない人はほとんどおらず、唯一、東大理Ⅰに行った友人のみ、女の子がゆっくり美しく書いたような楷書だった。あれは男性が書

    『悪筆の話』
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    diet55 2016/12/04
  • 『サインバルタ、よくある質問 (中)』

    前回の記事の続き。 Q5、サインバルタとアナフラニールなどの3環系抗うつ剤はどのような点で違うのでしょうか? A5、サインバルタ、イフェクサー、トレドミンは、選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込阻害薬にカテゴリーされていますが、いわゆる古典的3環系抗うつ剤、トフラニール、アナフラニール、トリプタノールも同じような特性を持ちます。しかし重要な相違点は、3環系抗うつ剤は他の受容体、ムスカリン受容体、ヒスタミン受容体、α・βアドレナリン受容体への関与も大きく、副作用が大きいことです。3環系抗うつ剤は、口渇、眠気、頻脈、血圧に及ぼす作用、肥満などの副作用が出やすく、忍容性の低い患者さんは服用できないか、継続しにくい難点があります。アナフラニールの副作用を少なくしたものがサインバルタとも言えますが、副作用はかなり服用感や効果に影響するためかあまり似ていません。 Q6.ジェイゾロフトなどのSSR

    『サインバルタ、よくある質問 (中)』
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    diet55 2016/12/03
  • 『サインバルタ、よくある質問(前半)』

    今日はサインバルタについて、医療現場(特にリエゾン)での患者さん、薬剤師、研修医からの質問をQ&A形式でアップすることにした。思いつくまま挙げるので一貫したものではなく、ややまとまらないかもしれない。また、意見が分れていたり統一した見解がないものあり、経験による記載もある。 Q1、サインバルタは20㎎未満の剤型がありませんが、10㎎だけ服薬できるのでしょうか?(よくある質問) A1、脱カプセルでき服用した際、効果の実感も可能です。しかし、製薬会社は推奨していません。サインバルタは脱カプセルでは、作用が不安定になるらしく、メーカーが推奨し辛いと思われます。臨床場面では、特に忍容性が低いケースなどで10㎎程度から開始する医師もいるようです。 Q2、サインバルタはタバコの影響はどうなのでしょうか? A2、結論的には「血中濃度が最高50%程度低下する可能性がある」といったところでしょうか?一般に、

    『サインバルタ、よくある質問(前半)』
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    diet55 2016/11/30
  • 『エビリファイ1㎎錠、2016年11月末頃発売の予定』

    まだパンフレットなどはアップできないのだが、いよいよエビリファイ1㎎錠が発売される見込みである。薬価は30円くらいなので1㎎あたりで割高であるが、液剤よりは安価である。 注意したいのは適応的には、1㎎液剤と錠剤いずれも従来通り、統合失調症、躁うつ病の躁状態、うつ病の補助療法にも処方可能なこと。 おそらく1㎎の剤型「小児期の自閉スペクトラムの易刺激性」向けだと思われるが、添付文書は従来と同じなのである。このように自由に処方できれば、特にうつ病の補助療法として有用かもしれない。 うつ病の補助療法では、時にエビリファイ3㎎半錠で十分な人や、1.5㎎でさえ副作用が出る人がいる。このような忍容性の低い人は1mlの液剤も分割しにくいので扱いにくい。(無駄が生じるため) よくこのブログで記載しているが、向精神薬は相対的なものである。今までは1.5㎎は3㎎錠を分割するか細粒でしか処方できなかったが、後者の

    『エビリファイ1㎎錠、2016年11月末頃発売の予定』
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    diet55 2016/11/11
  • 『精神指定医資格89人取り消し 厚労省処分(2016/10/26)』

    先日、厚労省から精神指定医資格89人取り消し処分についての発表があった。89人の内訳は2009年1月~15年7月に不正に申請した指定医49人と、指導に携わった医師40人。これとは別に申請中の5人に不正が見つかり、4人は申請を却下し、1人は自ら取り下げた。 今回、不正のあった医療施設や実名、年齢まで発表されており、患者さんの中には、これらに処分に関して、たまたま通院している病院だった等で不安をおぼえる人もいるかもしれないので、これについて記事にすることにした。近年は長文は避けるようにしているが、内容的に前後半に分けない方が良いと思ったので、今日の記事は長くなる。 基的にこのブログでは、処分された医師を擁護するなどのスタンスはない。ひょっとしたら擁護していると誤解されかねないと思ったので、最初に書いておく。今回、この制度の歴史的経緯や、この資格がどのように運用されて来たかなどにも触れることも

    『精神指定医資格89人取り消し 厚労省処分(2016/10/26)』
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    diet55 2016/10/30
  • 『医学部の雰囲気のことなど』

    医学部に入学すると、成績の良し悪しがさほど恥にならなくなる。その成績の考え方というか評価が高校時代とは全く違うことに驚いた。また、教養課程で留年するかどうかは、入学時の成績とあまり関係がないという話だった。 大学にもなぜかクラスがあり、2組に分かれており一応コンパなどもクラス単位でやっていた。それと別に語学のクラスがあり、これは形だけ3クラスに分かれていたが、たまにクラス単位で忘年会などをやっていたように思うがあまり記憶にない。また、実習やポリクリの5~6人のグループもあり、よく解剖学実習やポリクリの区切りに飲み会に行ったものだ。この辺りは競争意識が乏しく、むしろ戦友みたいなものだった。もう少し成績が評価される環境であれば、きっともっと教養部時代や専門の基礎科目の授業に出ていたと思う。 大学の専門課程の成績発表は点数ではなく、「合格」と「不合格」の2つしか評価がないのである。つまり全か無か

    『医学部の雰囲気のことなど』
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    diet55 2016/10/25
  • 『躁状態なのに小声で話す』

    ある時期、15年間ほど高齢の躁うつ病の患者さんを診ていた。彼女はうつ状態はないわけではないが、期間が短くその規模も大きくない。一方、躁状態はより明確で期間も相対的に長かった。その点ではあまりないタイプと言えた。 ある時、躁状態なのにいつも小声でしか話さないことに気付いた。しかし、その奇妙さに看護者は誰も注意していなかった。実際、看護記録にも記載されていない。 ある日、病棟婦長と話していた際に、「あの人は躁状態なのに、なぜか小声でしか話さないですね」と、このことについて意見を聴いた。彼女は「言われてみればそうですね」と言った感じだったが、「人に聴かれたくないからではないか?」と。確かに彼女の話はできれば聴かれたくない話の方が多かった。しかしそうでもない話もあるのである。 あれほど脱抑制しているのに、その配慮ができるというアンバランス。 躁状態の規模が小さいからという判断も可能だが、いかにもと

    『躁状態なのに小声で話す』
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    diet55 2016/10/19
  • 『エビリファイは糖尿病に禁忌ではない』

    上は、大塚製薬株式会社のエビリファイ1ml包装のパンフレットである。ここに記載されているように、最初に警告として赤文字で糖尿病患者へのリスクが注意喚起されている。 この記載の仕方は相当に問題があり、精神科ではない病院の薬剤師さんから、「エビリファイは糖尿病に禁忌ではないですか?」などと質問されることがある。また、近年は添付文書もインターネットで検索できるようになったため、患者さんからも、 「先生は、糖尿病に禁忌のエビリファイを処方した」 などと勘違いされることがある。僕は別のパターン、 「あの医者は糖尿病に禁忌なのも知らないで自分にエビリファイを出した。」 と転院した理由に挙げる患者も経験している。全く、その医師にとっても迷惑な話である。 よく読むと、警告のすぐ下の禁忌の欄には、糖尿病は記載されていない。 これはパンフレットの末尾にある添付文書風の記載だが、ここにも真っ先に糖尿病の警告が挙

    『エビリファイは糖尿病に禁忌ではない』
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    diet55 2016/10/08
  • 『セカンドオピニオンと選定療養費』

    精神科ではセカンドオピニオンの話が出ることは意外に少ない。おそらく、セカンドオピニオンという言葉を知らない人も多いのではないかと思う。(アンケートを取ったわけではないが) セカンドオピニオンとは、簡単に言うと他の医師の診たてを聴くことである。この場合、「別の病院ないしクリニックでの診たて」を言うのではないかと思う。 ここで、重要なことがある。 この場合、一般的な感性だと、現在の主治医にセカンドオピニオンの紹介状を書いてもらうなんて、到底できないと思うのが普通だ。 それは、ケースにもよるが、かなり失礼な行為(あるいは侮辱行為)になる可能性があるからである。その後の円満な主治医との関係を壊すリスクも大きい。 ケースにもよると書いたが、以下の状況ではおそらくさほど失礼にならないと思うが、おそらく感じ方はその医師の性格にもよる。また依頼の仕方にもよるだろうと思う。 例1 児童思春期専門ではない主治

    『セカンドオピニオンと選定療養費』
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    diet55 2016/10/05
  • 『エビリファイ 小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の適応追加承認』

    上はエビリファイのさまざまな剤型。1mlの液剤の包装はピンクである。 エビリファイの1mlの液剤発売の記事では、これは自閉性スペクトラム障害への適応を見据えての発売であろうと記載している。以下は再掲。(エビリファイ内用液1ml追加発売の予定 ) 今回のエビリファイ1mlはちょうど1㎎になるが、自閉性スペクトラムへの適応拡大などを視野に入れているのではないかと思われる。液剤1ml包装なんて、いかにも小児向けだからである。 今回、大塚製薬株式会社のサイトでは、以下のようにアップされている。 大塚製薬株式会社(社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)は、抗精神病薬「エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)」に関して、「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」の効能追加、および「エビリファイ錠1mg」の剤形追加の製造販売承認を9月28日に取得しました。 その詳細として、 「エビ

    『エビリファイ 小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の適応追加承認』
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    diet55 2016/10/01
  • 『SSRIのうつと不安に効くメカニズム』

    先日、古い製薬会社のパンフレットを整理していた際、SSRIの作用について記載されたものを発見。下敷き仕様になっており、表裏2枚しかないが、シンプルにわかりやすく書かれている。 このパンフレットは2007年10月明治製菓株式会社によるもので、おそらくデプロメールを想定していると思われる。 SSRIはセロトニンを相対的に効果を高める作用を持つが、うつと不安では脳への作用点が異なることがわかる。 むしろ裏面のこちらの方が、読者の方には参考になるのではないかと。 精神疾患には様々な精神症状が重層していることも多く、精神科医により診断(見立て)が異なる要因の1つである。上のパンフレットを見ると、診断が変わったとしても、「以前は誤診されていた」という表現は、少し違うのがわかると思う。 「パニック障害の50~60%にうつ病が併存」などいろいろな記載があるが、このうつ病というのはそのまま訳したからこうなる

    『SSRIのうつと不安に効くメカニズム』
    diet55
    diet55 2016/09/27