Lesson468 2人称=「あなた」がいない 先日、社会人向けの文章教室で 鋭い発見をした生徒さんがいた。 「相手に伝わる文章を書く」 というねらいのもとに、 職場の上司でも、自分の親でも、友人でも、恩師でもいい、 具体的な一人の相手を選んで、 その人に伝わる文章を書いていたときだ、 「すごく恐ろしいことに気づいてしまった」 とある生徒さんが、言った。 「これは、相手に向けて書いてるんじゃない! すべて自分に向けて書いているんだ!」 聞いている私は「ゾクッ!」とし、 他の生徒さんたちも、 「自分もそういうとき、あるある!」と 共感することしきりだった。 「相手に向けて言っているようで、 実はすべて自分に言っている」 文章や会話が、 そうなってしまっているときって、 あなたにはないだろうか? 卑近な例で言うと、 風のうわさで、最近、ともだちのAさんがフラれ、 落ち込んでいると聞いたとする。