兵庫県芦屋市に事故が多発している県道がある。六甲山から続く長い下り坂。トラックなどが、ブレーキを踏みすぎて利かなくなる「フェード現象」に陥るのが原因とみられる。地元では「ライト坂」と呼ばれる道だが、あまりの急勾配ぶりに「ライトではなくヘビーな坂」といった冗談も聞かれる。しかし、事態は深刻だ。付近に小学校の通学路もあるこの坂で令和元年以降、少なくとも7件の事故が起きている。現場を訪ね、不安を募らせる住民や事故関係者らの話を聞いた。 「気付いたらブレーキが利かなくなっていた」 今年発生した事故のドライバーを知る男性は、事故の状況をこう説明した。 この日、ドライバーは約3トンの荷物をトラックに積み込んでいた。予定していたルートが分からなくなり、急遽(きゅうきょ)、ライト坂と呼ばれる県道奥山精道線を下ることになったという。 初めて通ることになった坂道を下る途中、「気付いたらブレーキが利きづらくなっ