茶色い筋の正体は変性した塩らしい 木星の衛星エウロパの地下の海には生命が栄えているかもしれない。これはいまだに隠された謎だ。だが,この氷の天体をめぐるもう1つの謎は丸見え状態で示されている。表面を縦横に走る亀裂やクレーターの多くを埋めている謎の茶色いヘドロ,「ブラウンガンク」だ。「茶色いヘドロ。まさにそう表現するしかない」と米航空宇宙局(NASA)のニーバー(Curt Niebur)はいう。 ニーバーは最近の学会で,この正体不明の物質がエウロパ深部から噴き上げる水によって地表に運ばれている可能性が大きいと説明した。「ブラウンガンクの正体を突き止められれば,その水つまりエウロパの海のなかにあるものがわかる」とニーバーはいう。そうした知見はこの衛星が生命を宿しているかどうかを知るうえで非常に重要になるだろう。 電子ビーム照射で食塩が変質 NASAの2人の惑星科学者ハンド(Kevin Hand)
![しょっぱいエウロパの海〜日経サイエンス2015年10月号より](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b283e22ecd1caf616c45799c6296e0c2020625e7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.nikkei-science.com%2Fwp-content%2Fthemes%2Fnikkeiscience%2Fimages%2Fog.png)