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ブックマーク / yaneuraou.yaneu.com (10)

  • 将棋ソフトを開発して3000万円損した話 | やねうら王 公式サイト

    「大人の数トレチャンネル」(YouTube)に私が出演した時の後編の動画があまり再生回数が伸びてないので改めて紹介をさせていただく次第である。 このブログでも以前ちらっと書いた、「将棋ソフトを開発して3000万円損した話」が出てくる。(詳しい内容については動画をご覧いただきたい) それとは関係ないのだが、動画の内容に関連して、いくつか補足しておきたいことがある。 AI界隈では、「プロ棋士 VS 将棋AI」という構図が「人間 VS AI」の縮図だと言われることが多々ある。例えば、これは「将棋AIのようにAIが人間を打ち負かしたあとは、○○○な未来になっていく」みたいな文脈で用いられる。 しかし、人間が将棋AIに抵抗してきた歴史について当事者視点で語ってあるブログや書籍はあまりに少なく、そのへんの情報がまるで伝わっていないように思う。 そこで、記事では私が当事者視点でだらだらと書いていく。

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    dsl 2024/05/20
  • 詰将棋アルゴリズムdf-pnのすべて | やねうら王 公式サイト

    将棋AIで用いている詰将棋ルーチンにdf-pnというアルゴリズムがある。 これは、proof number(証明数)、disproof number(非証明数)を用いて効率的に探索を行い、その局面が詰むか、詰まないかを判定できるとても強力なアルゴリズムである。 将棋ファンなら『脊尾詰』と言う「ミクロコスモス」(1525手詰)を解く詰将棋専用ソフトについて一度ぐらいは聞いたことぐらいあるだろう。これは、脊尾さんが大学時代に作成されたプログラムである。そこに使われていたのが脊尾さんが考案されたdf-pnというアルゴリズムである。 df-pnに関しては、脊尾さん自身の論文(1998年)があるものの、要点しか書かれておらず、いまのようにGitHubにソースコードがあるわけでもなく、その詳細については長らく謎に包まれたままであった。(この脊尾さんの論文では、証明数のみを用いており、非証明数は陽には出

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    dsl 2024/05/08
  • Winnyの金子さんのED法について | やねうら王 公式サイト

    Winnyの金子勇さんが考案された機械学習アルゴリズムED法を再現して実装した人がいていま話題になっている。 『Winny』の金子勇さんの失われたED法を求めて…いたら見つかりました https://qiita.com/kanekanekaneko/items/901ee2837401750dfdad いまから書くことは私の記憶頼りなので間違ってたらコメント欄で教えて欲しい。 1998年ごろだと思うのだが、私はWinnyの金子勇さんのホームページの熱心な読者だった。(ページも全部保存してたので私のHDDを漁れば出てくると思うが、すぐには出せない。) Winnyのβ版が発表されたのが2002年なのでそれよりはずいぶん前である。 当時、金子さんはNekoFightという3D格闘ゲームを公開されていた。そのゲームには、自動的に対戦から学習するAIが搭載されていた。 当時の金子さんのホームページの

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    dsl 2024/04/21
  • 第4回世界将棋AI電竜戦本戦 優勝記 | やねうら王 公式サイト

    先週末に開催された電竜戦戦で、水匠チームが優勝した。私(やねうらお)も同チームのチームメンバーとして参加し、私は探索部の改良を行った。同チームのたややんさんは、定跡と評価関数(の機械学習)を担当した。 現代の将棋AIの大会で何が起きているのかについて手短に書く。 ■ 定跡 まず、大会の水匠チームの定跡部分に関しては、たややんさんの以下の配信に詳しい。 【#電竜戦 祝勝会】水匠電竜、連覇しました!!【将棋AI水匠/たややん】 https://www.youtube.com/watch?v=lsNoVMe_wdk 配信の内容で大事なところを簡単にまとめると、 ・角換わり(38手目基図)は定跡により先手優勢までは持っていける(これは1年ぐらい前からそう) ・相掛かりも定跡で先手有利 ・おそらく将棋は先手勝ちのゲーム ・大会では、「わからん殺し」するしかない とのこと。 結局、将棋は先手勝ち

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    dsl 2023/12/10
  • その打ち歩詰めの定義、間違ってません? | やねうら王 公式サイト

    まず、「◯◯角不成」となる1手詰め問題が作れるかについて考えてもらいたい。普通に考えると、(1手詰めで)例えば5二角不成で詰むなら、5二角成でも詰むはずであって、5二角不成でなければならないという状況は考えられない。ところが、それに挑戦する非常に面白い詰将棋問題が出題された。 いろいろあってやり場が無くなったのでここにあげておきます。良かったら解いてやってください。一手です。 https://t.co/IYB5Qx5dKv pic.twitter.com/hER6oCsK0y — Tonkatu (@tonkatu_love33) November 10, 2023 作意としては、68角不成。対して、77歩のあと、先手に合法手がない。つまり、歩を打つことで相手を合法手のない状態にしているので、これは打ち歩詰めであり、77歩は禁じ手であると言うのだ。(68角不成に代えて68角成だと、77歩の

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    dsl 2023/11/16
  • オセロの必勝法が見つかった件 | やねうら王 公式サイト

    すごいニュースが飛び込んできた。オセロの必勝法が見つかったのだ。正確に言うとオセロが弱解決された。まずはその論文を紹介する。 Othello is Solved : https://arxiv.org/abs/2310.19387 「弱解決(weakly solved)」を簡単に言うと、初期局面からの双方最善手を打つ時の結論(勝敗)がわかったと言う意味である。8×8のオセロの結論は引き分けなのだそうだ。「必勝法が見つかった」と記事のタイトルで書いたが、その結果として双方最善を尽くした時のオセロの結論が引き分けだったことが判明したので正しくは「必勝法(必ず勝てる方法)が存在しないことが証明された」とでも言うべきか。 今回は、初期局面から到達できるあらゆる局面についての結論(勝敗)がわかったわけではない。こちらは「強解決(strongly solved)」と呼ばれる。 弱解決と強解決とでは、

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    dsl 2023/11/07
  • WCSC31、やねうら王のマシントラブルについて詳しく | やねうら王 公式サイト

    WCSC31(第31回世界コンピュータ将棋選手権)、二次予選、やねうら王は予選敗退しました。 やねうら王は、初戦で昨年末の電竜戦で優勝したdlshogiを後手番で下し、次にHEROZの計算資源をふんだんに使えるという噂のPALも同じく後手番で下し、私は気持ちよくお昼寝して起きたら、そのあと連敗してました😅 どうやらAWSのp4インスタンスのメモリ1.1TBを使い切って、コンソールから応答返ってこなくなったらしいです。nps(探索速度)が家dlshogiより出るように頑張ったのに、それが仇となって、1.1TBのメモリを使い切って死ぬとは。 第2局でも終盤で4秒ぐらいで指すはずのところで大長考をしているので(コンソールからの応答もなし)、よく第2局で勝てたなという感じ。 そのあと私はお昼寝してたんですけど、フリーズすると困るのでオペレーション担当のMizarさんは、やねうら王を以前の探索部

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    dsl 2021/05/05
  • 渡辺明名人と東大教授で日本の脳研究の第一人者である池谷裕二先生との対談記事が間違いだらけである件 | やねうら王 公式サイト

    ここまでひどい記事は久しぶりだ。 渡辺明名人の疑問「将棋の初手でこれを指したら負けという“必敗”の手はありませんか?」 脳研究者の答えは… https://number.bunshun.jp/articles/-/846635 この手の対談は、編集側が元の発言とは異なる意図で解釈して、誤った書き方にしてしまうことが多々あるので、誰が悪いのかということはここでは問題としないことにする。ただ、内容が間違いだらけではあるので、ここではそれを指摘するに留める。 14年前のAIは「奨励会1級とか初段ぐらいだった」 池谷 渡辺さんのすごいところは、転換期を迎えた時に「じゃあAIに学んでみるのも面白いかもしれない」と思ったことですね。柔軟な適応力で発想の着火点をスムーズに転換されています。渡辺さんはかなり早い時期からAIと対戦されていましたよね? 渡辺 あれは2007年ぐらいでしたが、まだAIが全然強く

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    dsl 2021/01/15
  • 新感覚の将棋ソフト『たけわらべ』を期間限定で公開します | やねうら王 公式サイト

    竹部さゆり女流プロデュースの新感覚の将棋ソフト『たけわらべ』を期間限定で公開します。 なんと!評価関数ファイルはありません。 体だけ将棋所かShogiGUIに登録すればすぐに遊べます。 (エンジンオプション等は、やねうら王と同じです。) 現代の最新の将棋ソフトには到底敵いませんが、人間相手だとわりと強いです。 ・KPPT型のように形に対する評価を一切持っていない。 ・利きがすべて。利きだけで盤面を制圧する将棋。 ・見たことのない囲いが頻出する。人間は初見で対応するのは難しい。 ・囲いに対する知識は一切持っていない。 次の画面の後手が「たけわらべ」です。 何この囲い…何この攻め…何これ。こんな将棋負けるのか…なんだこれ。将棋って何…。 みたいなやられ方をします🤮 次の画面も後手が「たけわらべ」です。囲いも攻めも独創的すぎて笑えます。 田舎将棋の強いおっさん(定跡書も何も読んだことがない

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    dsl 2020/11/18
  • 「やねうらおが本当に必要だったもの」は必要ではない | やねうら王 公式サイト

    一つ前の記事に対して、C++なんちゃら委員会の江添さんから直々に以下の記事を頂戴した。 やねうらおが当に必要だったもの(の虫) http://cpplover.blogspot.jp/2015/12/blog-post.html ところで、記事中でやねうらおはCプリプロセッサーマクロを多用している。これは極めて醜悪だ。C++にはlambda式が存在するので、同等のコードはもっと綺麗に書ける。 それは全然綺麗だと思わないな。どこがどう綺麗なんだろうか。

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    dsl 2015/12/19
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