昔々、おじいさんとおばあさんが砂浜でバカンスを楽しんでいました。 「ばあさんや、こんなところに来てまで洗濯をしているのか? そんなことより泳がんかのう」 「おじいさん、ここは遊泳禁止ですよ」 「なあに、かまわんわい。こう見えても昔は竜宮城でブイブイ言わせたもんじゃ」 おじいさんは小麦色に焼けた肌を波に委ねました。ビキニ姿のかぐや姫にいいところを見せようと思ったのです。 すると、水平線の向こうから大きな桃がドンブラコドンブラコと流れてきて、とぷんと水面下に沈んだその影はゆっくりとおじいさんの真下へと進んでいきました。 「おーい、ばあさんや。結構気持ちがい……」 瞬間、おじいさんは何か強大な力によって凄まじい勢いで海の底に引きずられました。 「きゃあああ! おじいさん!!」おばあさんが叫びました。 すると、真っ赤に染まった水面から勢い良く何かが飛び出して来ました。見るも無惨なミンチになったおじ