イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による事件は11日、フリージャーナリストの後藤健二さんを殺害したとする映像が公開されてから10日が経過し、国会の質疑を通じて、事件をめぐる政府対応の一端が明らかになってきた。一部の野党は安倍晋三首相や政府の対応を非難したが、質問に一方的な思い込みもあって議論がかみ合わない場面もあった。(峯匡孝) カイロ演説「官邸がマイルドに」 政府は、イスラム国が殺害したとする後藤さんと湯川遥菜(はるな)さんが行方不明になった直後から、隣国のヨルダンに現地対策本部を設置し、首相官邸や外務省も含めて対応に当たってきた。首相が1月27日の衆院本会議で明らかにしたが、「事案の性質上、非公表だった」(菅義偉官房長官)というように、作業は水面下で進められていた。 政府は、湯川さんの行方不明を昨年8月16日夜に探知した。後藤さんについては、11月1日に連絡が取れなくなり、後藤さ