「花火を打ち上げる役割だと思うので、話題性のあることをしてアピールします」 実は文壇随一の図書館通。国立国会図書館に司書として勤務していた経験がある。読書環境の整備など活字文化の振興に取り組む「文字・活字文化推進機構」で、長尾真(まこと)・前国立国会図書館長と共に副会長を務めてもいる。 山梨にゆかりはない。一昨年秋、日本ペンクラブ会長として東京で26年ぶりの国際ペン大会を開催。「ややこしい仕事が終わり、ほっとしていた」。その頃、新県立図書館の開館(今年11月)を前に館長就任を打診された。一時は固辞したが、1日に就任した。 経費節減などのために民間に仕事を発注する指定管理者制度のデメリットや、本のデジタル化と著作権保護の関係など問題は山積する。それでも引き受けたのは、横内正明知事らの強い要請と、「本が好きで、言葉が好きだから」と声に力がこもる。「我々は言葉を知ることによって知識を蓄え、考える