今年1月、大分県豊後大野市の山中にある臨済宗妙心寺派吉祥寺が宗教法人の任意解散を行った。不活動法人の解散や合併は珍しくないが、同寺は解散時に正住職も檀家もいた点で特殊な事例だ。だが背景に過疎地に共通する問題がはっきり浮かび上がってきた。 解散時の住職は元中学校校長の衛藤宗允氏(74)。檀家は約90軒、兼職して辛うじて寺門を護持できる状況で、先代は檀務の傍ら農業に従事した。 後継者確保の見通しはなかった。衛藤氏自身も健康状態が悪化し、寺の将来に悩んでいる中、近在の寺で相次いで後継者問題で混乱が生じたことが氏の決断を促した。平成22年11月に法類寺院に住職辞任を表明。翌年2月に檀家にも意思を伝えた。 なぜ、檀徒は任意解散へ向け突っ走ったのか。最も大きな理由は急激に過疎化が進む地域で、寺そのものの存続が厳しくなっていることだ。檀家自体も高齢化し、後継ぎもなく年金生活者がほとんど。年額1万円の寺の
櫻田大造『大学入試:担当教員のぶっちゃけ話』中公新書ラクレ, 中央公論社, 2013. 日本の大学の入試制度とその業務について解説した本。副題の軟派な印象とは異なり、きちんと関連文献を収集して広く手堅く記述してある。著者の体験談的な話はごくわずかにすぎない。 結論を簡単に言えば、問題作成・監督・合格者の決定などを含む一連の入試業務は、担当者となった専任教員に大きなストレスをもたらし、また研究時間を削るものになっているということである。この認識は大学関係者の間では月並みかもしれないけれど、世間に知ってもらう価値はあるかもしれない。大学関係者にとって面白いのは、さまざまな大学の事例のほう。「どこも苦労してるんだなあ」とか「こんな上手くやっているところもあるんだ」といちいち感心してしまう。 僕の場合、かつて入試監督でミスって新聞沙汰になった経験や、自画自賛したくなるような力作の入試問題を作りなが
多様な図書館と人をつなぐ「はこだてLL文庫」の試み 毎年夏になると,函館市内の図書館では「はこだてLL文庫」という名のちょっと変わった展示が一斉に行われる。企画・運営しているのは,函館市内の図書館連携プロジェクトチーム「ライブラリーリンク」。函館市内の公共,大学,短期大学,高等専門学校等の9つの図書館が館種を超えて連携し,函館市民や学生に学習や読書のより充実した環境を提供することを目的に活動している。「はこだてLL文庫」は,ライブラリーリンク参加館のうち市民サービスを提供する図書館が,同時期に同一テーマでそれぞれの所蔵資料を展示する特別企画である。函館市民が市内の多様な図書館に足を運ぶきっかけづくりとして始めた「はこだてLL文庫」の魅力と効果について紹介する。 「はこだてLL文庫」の魅力は,展示される本の多様さだろう。「はこだてLL文庫」は,共通のテーマに基づき,各館で選書や展示を行い,展
学術雑誌の投稿論文審査(査読)が適切に行われていない問題を検討し、改善策を探ることが本論の狙いである。問題の性格を明らかにするため、不採択となった心理学論文二編の内容と査読所見とを検討した。一編は論理的・形式的議論から、脳とは独立の魂の存在を推論するもの、もう一編は特殊な教育現場における心理療法の事例から、治療論と研究方法の見直しとを論じたものであった。対照的な性格を持つこれらの論文にはしかし、着想の斬新さという共通点があった。査読所見を検討したところ、いずれの論文についても、見解の共通点がほとんどなく、不採択理由のすべては誤解に基づくか、不適切なものであった。心理療法の論文については、不採択と結論しながら理由のまったく挙げられない所見や、自分に分からないことをもって理由とした所見が目立った。また再審査の場合には、前回の所見の指摘を無条件に正しいと見做し、投稿者の反論を考慮せず、指摘を採り
戦争被害にあった人々を支援する赤十字国際委員会(ICRC)が、「戦争のリアリティーを追求したゲームに関するQ&A」という声明を発表して話題になっています。またよくある「戦争ダメ! ゼッタイ!」「悪影響! 規制!」って主張だろって? いえいえ、どうもそうではないようです。 ICRCが主張しているのは、一人称視点で進むリアルな戦争ゲーム(FPS)において「ゲーム内でも現実と同じ国際人道法のルールを追加してほしい」というもの。ゲームだからと言って無差別に市民や捕虜を攻撃する行為は賞賛されるべきではないとして、プレイヤーにペナルティを課すことで「ゲームを通じて武力紛争に関する法律について広く知ってもらう」ことを目的としています。 重要なのは、あくまで「リアリティを追求した戦争ゲーム」の「ゲーム内でペナルティを与える」ということ。宇宙戦争のようなファンタジー感のあるゲームのことや、ゲーム内での行動を
Ikuo Kabashima Governor of Kumamoto Prefecture, Japan Poster Press release on Kumamon’s visit Article, “’Kumamon’—Japan’s Most Popular Bear” Moderator: Susan Pharr Director, Program on U.S.-Japan Relations, and Edwin O. Reischauer Professor of Japanese Politics (Co-sponsored by the Reischauer Institute of Japanese Studies, Harvard Japan Society, and Fellows Program, Weatherhead Center for Internat
武蔵野市議 川名ゆうじ blog 議会や市政のニュースや気になる情報を書いています。 誤字脱字はご容赦を。 ご意見はメールでお願いします。kawana●ba2.so-net.ne.jp まで (●を@に修正してください) 市議会文教委員会の行政視察で佐賀県伊万里市民図書館を訪れた。「○○市図書館」ではなく「市民図書館」とあえて名付けられており、市民による支援が活発で知られ、また、図書館による市民支援、ビジネス支援でも知られている図書館だ。そして、指定管理者制度を採用しないことも決めている。佐賀県と言えば、武雄市の図書館が有名だが、その対極にある図書館とにも思えた図書館だった。 視察で最も印象に残っているのは、伊万里市民図書館設置条例の第1条に「図書館は地方自治の発展のためにある」と書かれていることだ。図書館にはこの条例の一文と図書館の自由宣言が誇らしげに掲げられていた。武蔵野市の図書館条例
文京区では、文京のくらしを記録したフィルムをお預かりし、調査および一部デジタル化して地区ごとに上映会を催しています。文京区には9つの地区があり、巡回上映会の第1回は駒込(本駒込)、第2回は湯島(本郷・湯島)、第3回は大塚、第4回は礫川(後楽・春日・小石川)、第5回は根津、第6回は音羽(目白台・音羽・小日向・関口・水道)、第7回は大原(白山・千石)でした。第8回目は汐見地区(汐見・真砂篇)の映像の上映です。 お誘い合わせの上、どうぞお気軽にご参加ください。 なお、文京区にゆかりの映像をお持ちの方はどうぞご一報ください。ただし、〈映画フィルム〉に限ります(ビデオテープ等は受け付けておりません)。 上映作品(DVD上映) 『創立20周年祝典』1977年 8mm カラー 20分 千駄木三丁目南部町会撮影 『上真砂町会 祭礼』1959年 8mm 無声 カラー 11分 日本義手足製造株式会社所蔵 『真
米国政府機関の閉鎖による図書館界等への影響 米国政府予算の不成立により,会計年度が始まる2013年10月1日から,米国政府機関の一部が閉鎖を余儀なくされた。この閉鎖は,10月16日深夜に2014年1月15日までの暫定予算を含む与野党合意案が上下両院で可決され,17日未明にオバマ大統領の署名により関連法が成立するまでの16日間,継続した。一時帰休を余儀なくされた政府機関の職員は約80万人にのぼったとされる。もちろん,日本の図書館におけるサービスにも影響を与え,実際,いくつかの大学図書館においては,特定のデータベースが使用できないことや代替データベースについて案内されていた。本稿では,米国政府機関の閉鎖が,図書館界等に与えた影響についてまとめる。 10月1日以後,米国政府の各機関は,行政管理予算局(OMB)の指示を受けて事前に定めた緊急時の対応計画にもとづき,航空管制や国防警備,警察など国民生
ギョーザに野菜炒め…自分で料理し食い逃げ 60歳男逮捕 唾液で足ついた 飲食店に忍び込み、自ら作った料理を食い逃げしたとして、大阪府警門真署は7日までに、窃盗と建造物侵入の疑いで、住所不定、無職岩元勝彦容疑者(60)=公判中=を逮捕した。 門真署によると、岩元容疑者は昨年12月~今年6月、大阪、兵庫で少なくとも27店舗に侵入。調理場にある食材や料理道具を使い、炒め物やギョーザを作って食事していたほか、現金も盗んでいた。被害総額は約200万円に上る。 逮捕容疑は昨年12月21日午前1時ごろ、大阪府門真市の居酒屋に勝手口から侵入。もやしやウインナーなどで野菜炒めを作り、食べた疑い。冷蔵庫にあった缶ビール2本も飲んでいた。「金が無く、空腹を満たすためにやった」と容疑を認めている。 食事後は洗い場に食器を放置したまま、逃走していた。食器に付着していた唾液から、岩元容疑者のDNA型が検出され
同志社大学にはすごいラーニングコモンズがあるらしい。 とは聞いたことがあった。 そこに偶然、いや、奇遇にもお仕事でお招きいただいた。 同志社大学ラーニングコモンズでこれからカフェイベント「コモンズカフェ」が始まるらしい。そのキックオフ、第一回目のホスト役をしてほしいというお仕事依頼だった。ゲストは村田学長、ホストをした後に私からカフェイベントのデザイン、そこで起きうる学習についても話すという企画。 この仕事の依頼、きっかけは 大学教育学会@北大でUTalkのマニュアルについて発表したことのようである。 お声かけいただいた 教職員の方々は非常に熱く、その場にいてとても楽しかった。 写真は著作権の処理など必要かもしれないのでまだUPできないが、とても良い雰囲気で、途絶えることなく参加学生から質問が続いた。 宛先がイメージできる仕事は少ないが、それでもどこかに届いていることがわかるといいなあと思
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く