ちょうど100年前の20日、夏目漱石の代表作「こころ」の連載が朝日新聞紙上で始まった。米ミシガン大学で18日から、100年を記念して米研究者らが企画した「漱石の多様性」をテーマにした国際シンポジウムが開催中だ。国内外から研究者や学生ら100人が集まり、3日間、漱石を語り尽くす。 中国出身のシカゴ大学大学院生、マー・リンリンさん(25)は「こころ」を読み、「主人公が自分の心の暗闇に気づくとき、私の中にも同じような暗闇があると思った」。好きな作品に「こころ」を挙げたミシガン大学大学院生のブラッドリー・ハモンドさん(23)は「作中の“恋は罪悪ですよ”は海外でも有名です」と話した。 「草枕」の主人公にニーチェの思想を重ねて読んだり、「道草」で主人公が読む洋書に注目したり、発表者の着眼点は幅広い。企画したキース・ビンセント・ボストン大准教授(45)は「漱石は日本のマーク・トウェインのような国民的作家