祇園祭の鉾建てが10日、2年ぶりに京都市中心部で始まった。新型コロナウイルスの影響で昨年に続いて山鉾巡行は中止となるが、今年は半数の山鉾が技術継承を目的に建てる。朝から街には土台を組むつち音が久しぶりに響いた。 昨年はすべての山鉾建てが見送られ、関係者から組み立て技術の継承や懸装(けそう)品の保全に悪影響が懸念されていた。そのため今年は34ある山鉾保存会のうち感染症対策が行えると判断した前祭11基、後祭6基の保存会が山鉾建てを計画した。祇園祭山鉾連合会は「観覧を控え、静かに見守ってほしい」と呼び掛けている。 10日は長刀、函谷(かんこ)、月、鶏の4基が作業を開始。月鉾はマスク姿の作事方が縄で柱や筋交いを固定する「縄がらみ」の技法を使って土台のやぐらなどを組み上げていった。 月鉾の棟梁(とうりょう)、小山利夫さん(72)は「縄のくくり方もいろいろで2年空けばやり方を忘れてしまうこともある。巡