右でも左でもない、小林よしのりの思想に刮目せよ! ベスト新書15周年「ゴーマニズム戦歴」発売記念コラム3 小林よしのりとは、いったい何者なのか この単純な問いに答えるのは、なかなか難しいだろう。とくにここ数年は、わしという存在に対して抱くイメージが、人によってバラバラになっている。 無論、いちばん簡単で確実な答えは「漫画家」だ。いかにも、わしは漫画家である。それを否定する者はいない。『東大一直線』でデビューし、『おぼっちゃまくん』で大ヒットを飛ばした後、『ゴーマニズム宣言』で社会を挑発し続ける漫画家だ。 だが、わしという漫画家は従来の枠組みではとらえきれない。なにしろ『ゴーマニズム宣言』では自分自身がキャラとして登場し、一人称で思想を語るという新しいジャンルを開拓してしまった。しかもその思想は、どんどん深まっている。現在、わしがどういう立場で何を考えているのかをまともに説明できる人間は、き