29日、忠清南道泰安郡(チュンチョンナムド・テアングン)と唐津(タンジン)市を結ぶ加露林(カロリム)湾の内側の社倉里(サチャンリ)干潟。広がるこの干潟は、まるで芝のサッカー場のようにきみどり色だった。長靴をはいたイ・ユンレさん(61)は、冷たい風の中、干潟できみどり色のものを熱心に採っていた。この塊りは、苔の形の甘苔。イさんは、甘苔を糸のように巻いて一塊にしてかごに入れた。こうして採った甘苔を村に運んで洗った後、四角形の枠に広げる。そして日光がよくあたる場所で海風で乾燥させる。 乾いた甘苔は、口の中に入れると海の香りがする。まるで綿菓子が口の中で溶けるようにすっと消える。甘さとほろ苦さがあり、こくが余韻のように残る。甘苔という名前は「甘い海苔」という意味だ。 きみどり色の甘苔は、海苔、青海苔、カプサアオノリとともに冬の「海草4銃士」だ。青海苔より細く、カプサアオノリより太い。海苔と青海苔、