宮城県塩釜市の水産会社「渡会」が新造した沖合底引き網漁船「第11宏伸丸」(105トン)が17日、同市新浜町の塩釜港でお披露目された。岸壁には漁業関係者が集まり、船の門出を祝い、大漁を願った。 約30年前に建造された先代の船(65トン)の老朽化で新造。市に船籍を置く。定員9人で、若手船員らの環境に配慮し、食堂や寝室などの居住区を広くした。 気仙沼市のみらい造船が建造。水産庁の「がんばる漁業復興支援事業」の採択を受け、総工費約6億円の一部は補助金を利用した。9月から県沖で操業を開始する。 主にイカやイラコアナゴ、キチジを、石巻魚市場と塩釜市魚市に水揚げし、年間約2億5000万円前後の水揚げ高を見込む。イカなどは自社で加工する。 お披露目では船上での神事に続き、渡会和弘社長(47)らが完成を祝って餅をまいた。渡会社長は「この船がないと原料が安定して手に入らない。地域の水産加工業の活性化につながる