この音を米国人に、世界中の人々に聴かせたい! 高校の吹奏楽団の素晴らしい演奏に感動し、米国でのコンサートを思いついた外交官の中村仁威さんが、そのチャレンジの軌跡を振り返る。音楽の力で、国境を越えて人々の心を動かし、「世界への道」を大きく切り開いた女子高生たちの物語。 圧倒的な演奏にぶったまげた 「吹奏楽の甲子園」という催しをご存じだろうか。全国の中学・高校の吹奏楽団体が参加して演奏技術を競うコンクールで、年に一度行われる最も大きな大会であることから、高校野球の甲子園大会にちなんでそう呼ばれるようになった。 2008年10月19日、わたしはその「吹奏楽の甲子園」、正確に言えば「全日本吹奏楽コンクール 高校の部」を聴きに行った。もともと音楽が好きだったことに加え、当時、吹奏楽を始めたばかりの小学生の息子にせがまれたのだ。会場は東京・杉並の普門館(ふもんかん)という、5000人もの聴衆を収容でき
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