ホンダはこのところ、明るいニュースがない。2013年以降の5回にわたる「フィット」のリコール、また米国でのタカタ製エアバッグをめぐるリコール問題などの対応にてんやわんやで、なかなか前に進めない。そのなかで“希望の星”といえば、「ホンダジェット」を除いて肝心のクルマでは軽のスポーツカーのみである。 スポーツカーはF1参戦の歴史に象徴されるように、ホンダらしさの象徴だ。ホンダはかつて“とんがったクルマ”が特徴で、その点が評価されてきた。近年そうした長所がすっかり消えて、無難にまとまる傾向にある。トヨタ自動車とホンダのクルマに差がなくなったとすらいわれている。 いささか停滞ムードが漂うなかで4月に発売された軽のスポーツモデル「S660」は、ホンダらしさを取り戻す起爆剤としての役割が期待されている。ミッドシップエンジン・リアドライブレイアウトを採用し、高い旋回性とともに低い重心高にこだわる。軽