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『民俗台湾』の評価をめぐって - ものろぎや・そりてえる
植民地統治期台湾における広い意味での人類学的調査の経緯を大雑把にまとめると、第一に、後藤新平の発... 植民地統治期台湾における広い意味での人類学的調査の経緯を大雑把にまとめると、第一に、後藤新平の発案による旧慣調査から始まる。統治を実効的ならしめるにはまず実態をありのままに把握する必要があるという政策立案上のプラグマティックな発想が背景にあり、後藤の「ヒラメの眼をタイの眼にすることはできない」という言葉は有名だろう。漢族系社会の調査が中心であり、織田萬・岡松参太郎など法律専門家の名前が見えるのが特徴である。山地の原住民系社会にはまだ警察による実効支配が及んでいなかったが、第二段階として、そこに先鞭をつけた伊能嘉矩、鳥居龍蔵、移川子之蔵(台北帝国大学、土俗・人種学)、浅井惠倫(台北帝国大学、言語学)、鹿野忠雄などが続く。こちらは純粋に学術志向で、政策的思惑とのつながりは薄い。ところで、この間、漢族系社会の民俗調査は進んでおらず、第三段階として、その空白を埋めるべく金関丈夫(台北帝国大学、解剖
2013/08/12 リンク