炎症性腸疾患と糖鎖 : 糖鎖ブログ

炎症性腸疾患（ＩＢＤ）は、慢性的・再発的に腸管で炎症を引き起こす原因不明の難治性の疾患で厚生労働省の特定疾患に指定されています。 ＩＢＤは、小腸及び大腸を中心に全層性の疾患性変化を示すクローン病（ＣＤ）と主として大腸の表層粘膜を中心とした炎症が認められる潰瘍性大腸炎（ＵＣ）と大別されます。 ＩＢＤの原因は不明ですが、遺伝子や免疫上の異常さらに食事抗原の影響などが複合する事で発症すると考えられています。患者数は増加傾向にあり、特に１０〜２０代での発症が多いため、長期的なＱＯＬ（生活の質）の低下と同時に社会的損失の大きい疾患です。 今世紀に入り、抗ＴＮＦ−α製剤の誕生によって、特にＣＤにおいて大きな治療効果がある一方で、効き目がなかったり、再発する症例も多く、ＩＢＤを克服したとは言い難い状況にあります。 確かにＩＢＤは未だ病因が完全には解明されていませんが、生体側因子のみならず、腸内細菌叢（ち