[B! スポーツ] スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム:20年後くらいの五輪に大朗報！谷亮子さんが第2子を華麗に妊娠の巻。

jpmmm 「立ちなさい！」妻の声が今夜も響いた。誰が勃つものか、と思いながら私はささやかな抵抗ではあるが、狸寝入りを続ける。布団がはがされた。敷布団の上からも蹴り出された。妻は私の安らぎの場を素早く片付けると、もう一度声を張り上げた。およそ人間の声帯から発せられたとは思えない音波が、私を反射的にビクンと動かす。人生にはどうしても慣れないものもあるものだ。あるいは本能なのかもしれない。この音が聞こえたら逃げろという、私の遺伝子が生命の旅路で獲得した教訓なのではないか。だとしたら、本当に私の祖先には申し訳が立たない。あなた方の教えは、今夜もまた無駄になります。妻は正装だった。全身を白装束に包み、漆黒の帯でそれを止める。頭には派手な色のゴム。髪をまとめてピョコンと立たせるのは彼女なりの戦闘スタイルなのだ。チョウチンアンコウのようだと、ふと思う。今の思い出し笑いで妻も釣られて笑ったようだ。いやいや、そんな意味じゃない。必要以上に妖しく光る妻の目に、今夜は長い夜になりそうだと思う。浜崎りおや麻美ゆま、そして私の名球界入りを決めたレジェンド・みひろを思い描きながら、私も構える。そうだ、ここは戦場だ。体は奪えても魂までは奪えないことを、今夜こそ証明するのだ。見ていてくれ、みひろ。妻の姿が消えた。「速いッ！！」と驚く間も無く両足に衝撃を感じる。瞬時に私の両膝は抱えられていた。諸手刈り…妻の裏技だ。表の戦いでは滅多に見せないこの技は、文字通り私を「狩る」ためのもの。この裏技をいきなり出してくるとは…妻は勝負を焦っているようだ。だが、私も何の策を持たずにこの場にいるわけではない。サルでも学習はするのだ。予め全身に擦り込んでおいた保湿クリームが、じっとりと湿る妻の掌に反応して溶ける。そのぬめりを利して、私は足を抜いた。「すっごい滑るよ！体全体が滑る！」…妻の怒号が響いた。妻は距離を取った。右手を前に出し、左手は白装束がはだけないよう胸元を押さえるいつもの構え。すぐ自分で脱ぐくせに…と思いながら、私も妻を真似て服を押さえた。この構えの意味を本人から聞いたことはないが、どうやら「簡単な女ではない」ということらしい。自分から求めるのではなく相手に奪われたい。そんな女心なのだろう。「もう一度お前を奪いに行く！」私はいつもと同じセリフを吐いた。これが最近のルールなのだ。夫婦という関係をただ維持するのではなく、初めてのときと同じように愛を奪いに行く。妻曰く「この差は大きい」のだと。風俗で言えば逆夜這いプレイみたいなものか。襲いに行ったくせに襲われたいとは複雑な話だが、そんな欲望も人間の業だろう。「Yes We Can！」力強い掛け声とともに妻が消えた。いや、正確に言うと床も壁もすべてが消えた。ただ天井だけが私の視界には広がり、私は背中から畳に落ちた。相変わらず凄い。素直に感嘆する。せめて金属バットでもあれば戦えるかもしれないが、ミートできるかどうか。このキレがあれば、石油王でも男性アイドルでも望みのまま狩ることが出来ただろうに、何故私だったのか。蓼喰う虫も好き好き…生物の営みには、理由がわからない組み合わせもあるのだと、自分を納得させる。神の定めなのかもしれない。妻は私を捕らえるためのすべてを持っており、私を狙うように「出来ている」。私はそのとき、諦め流されるように「出来ている」のだ。あぁ始まった。すでに妻は獣の姿に還っている。まずは横四方固めだ。私の太股の間で妻の指が蠢く。虫の大群でも居るかのように、細かく、激しく、私の神経を這い上がる感覚。脊髄を通り脳を駄目にする。狂わされる。私の漏らす息の微かな変化を知り、妻が粘っこい微笑みを浮かべる。来た、袈裟固めだ。私の呼吸器に密着する突起物を、私はいつものように口に含む。ピチャ…粘膜が触れ合う音がする。円を描くように舌を動かすと、ジワリと体液が滲み出る。毒だ。甘い味が獲物を狂わせる毒液だ。私はそれをすすりながら、突起を転がし、絞り、噛み扱く。「ゆ…有効！！」妻が愉悦の声をあげた。それを合図により貪欲になった妻が、私に覆いかぶさってくる。得意の上四方固めだ。妻が私の怒張を袖車すれば、私も妻の蜜壷にスクリューボールを叩き込む。擦り込んだ保湿クリームのせいか、今夜はいつもよりも体がぬめる。「効果ッ…！」「ストライクゥ！」「わ…技あり、技ありぃ！」「っ…ツーナッシング！」「あ…あと25秒で一本がきちゃう…！」「ふっ…フルカウントッ！！」「あと5秒…！」「違うッ…今のはハーフ…スイング…ッ」…ぶつかり合う攻めと攻め。そこには指導も注意も無い。まして警告する者などいない。2匹の獣が互いを貪っているだけなのだから。妻が跳ね上がった。全身から淫汁をほとばしらせながら、体を入れ替える。ついに来た、縦四方固めだ！万力のように私を締め上げる圧倒的な力。スッポンのように私を咥え込む麻薬的な悦び。そうだ、私はこれを待っていたのだ。これに壊されたいと願っていたのだ。下半身から溶け出していくような感覚。体そのものが剥き出しの神経になったかのように、擦れ合うたびに目の前が明滅を繰り返す。麻美ゆまも、みひろも、もう私の目には映らない。私の背筋は弓のように反り返り、妻はそれを腰の動きだけで押さえ込む。「参った…したいの？」甘い誘いに私はただ流される。それ以外のことが考えられなくなる。参ったしたい。参ったしたい。参ったしたい。自分の口がそう言っているのか、脳の中でそう言っているのかわからないが、妻は万力の締め上げを緩め、私に許しを与えた。「場外はダメだよ…」許された、その安堵が私を支配する。潮となり抜けていく私の魂。二度、三度と打ち上げる。それが治まるのを待って、妻がゆっくりと立ち上がった。「今日のはきっとホームランだよ…うふふ…」ボンヤリとその言葉を頭に巡らせながら、私は数えるのも嫌になるほどの連敗記録を、今夜もひとつ更新した。

2009/02/27 リンク

スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム:20年後くらいの五輪に大朗報！谷亮子さんが第2子を華麗に妊娠の巻。

「立ちなさい！」妻の声が今夜も響いた。誰が勃つものか、と思いながら私はささやかな抵抗ではあるが、... 「立ちなさい！」妻の声が今夜も響いた。誰が勃つものか、と思いながら私はささやかな抵抗ではあるが、狸寝入りを続ける。布団がはがされた。敷布団の上からも蹴り出された。妻は私の安らぎの場を素早く片付けると、もう一度声を張り上げた。およそ人間の声帯から発せられたとは思えない音波が、私を反射的にビクンと動かす。人生にはどうしても慣れないものもあるものだ。あるいは本能なのかもしれない。この音が聞こえたら逃げろという、私の遺伝子が生命の旅路で獲得した教訓なのではないか。だとしたら、本当に私の祖先には申し訳が立たない。あなた方の教えは、今夜もまた無駄になります。妻は正装だった。全身を白装束に包み、漆黒の帯でそれを止める。頭には派手な色のゴム。髪をまとめてピョコンと立たせるのは彼女なりの戦闘スタイルなのだ。チョウチンアンコウのようだと、ふと思う。今の思い出し笑いで妻も釣られて笑ったようだ。いやいや、