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中国最新事情 - 内田樹の研究室
『シン・中国人』(ちくま新書)を出したばかりの北京在住のジャーナリスト斎藤淳子さんが凱風館におい... 『シン・中国人』(ちくま新書)を出したばかりの北京在住のジャーナリスト斎藤淳子さんが凱風館においでになった。最新中国事情を拝聴しているうちに時間を忘れた。 中国の生活者の肉声はなかなか日本には届かない。取材活動にきびしい制約が課されているし、市民も口が重い。どこで、誰に会って、何を話したのか、それを政府はすべて把握している(と市民は信じている)。実際に監視されていなくても、市民が「監視されているかも知れない」という不安を抱いている限り「パノプティコン(一望監視装置)」は効果的に機能する。 中国には社会的信用評価システムというものがある。政府がビッグデータを活用して、全国民の社会的信用(平たく言えば「体制への忠誠度」)を格付けしているのである。このスコアが低い人は「ホテルの予約がとれない」「列車のチケットがとれない」というような仕方で日常的にペナルティを受ける。反体制的傾向は日常生活で思い通