asahi.com（朝日新聞社）：批評家の東浩紀さん、今度は小説 論壇の閉塞、突破へ挑戦 - ひと・流行・話題 - ＢＯＯＫ

批評家の東浩紀さん、今度は小説 論壇の閉塞、突破へ挑戦東浩紀さん 批評家・東浩紀さん（３８）の単著では初の小説となる『クォンタム・ファミリーズ』（新潮社）が、話題を呼んでいる。２０３５年という近未来と現在が同時並行し、幸せな家族を夢見ながら実際はそうなれない家族の物語。こうあったかもしれない、といった「可能世界」をスリリングに描く。 なぜ小説だったのか。東さんに尋ねると、もともとＳＦ小説を書きたいというあこがれが強く、可能世界や並行世界への関心も強かったことを挙げた。しかし動機はそこにとどまらない。思想や批評の現状に対する、積年のいら立ちも大きかったという。 「読者を自ら狭め、やせ細ってしまった批評の言葉と比べれば、小説はまだマーケットがある。自由なことができるかな、と」 新たな情報技術を使った発信、若手批評家の発掘と育成、批評雑誌「思想地図」の創刊……。この１０年ほどの「思想の再構築」の

[heis101]

　「明治維新後、近代文学が立ち上がっていった時期に、作家は小説も評論も書き、雑誌も発行した。日本社会が様々な意味でリセットを求められている今、東さんが恐れず一歩を踏み出した意味は、大きいと思う」