凪の女 - ACID TANK

「別に宗介に謝ってもらわなくっていいし」ひまわり記念病院の３階の個室301号でクミコは僕の手を握りながらつぶやいた。「宗介はいつも謝ってばかり、あの津波の時から。いつだって自分を責めてるのね」僕は何も言わなかった。僕らが５歳のときのあの大津波は死者153名行方不明者382名を出す戦後史としては最大の惨事になった。「誰だってより良く生きたいと思ってるの。それに津波は宗介のせいじゃないじゃない。あんまり自分を責めないで、何もなかったようにそう思えばいいの。みんなだって何も知らないんだから。自然災害よ。あの娘のことだって、はっきり言って人の力や知恵が及びうるような事じゃないじゃない。事故なのよ、神さまが起こした事故」クミコは絶対にポニョの名前を呼ぼうとはしない。「よそう。その話は何度もしただろ。それに僕だって僕のせいじゃないって思ってるよ。でもさ、500人以上も死んだんだよ。忘れることはできない

[ka-na-ta]

これはこれで、素敵！！

[stilllife]

ポニョ観てないので読んでいいのかドキドキしながら読んだ。はてな半径ワンクリック以内小説ブーム..！

[cinemathejury]

やられた、やられましたよ！

[dododod]

ポニョ/僕は思い出を美化しすぎてたようだ/ポニョみてないけど面白かった

[realtakachenco]

[!?]そうか、ポニョはその後ジョーカーになったのか！

[brownian]

苦い未来

[yoneyacco]

ハッ、これだとポニョは海の泡に？！

[murashit]

あの話はもう、こういう話でいい気がする・・・！

[doy]

クミコは絶対にポニョの名前を呼ぼうとはしない。

[Delete_All]

！おどろくほどセンチで歪。黒人さんの新たな一面だ…。

[Geheimagent]

黒人も案外おセンチな文章を書かれるのだな……。／何度も読み返したけど、花京院とかサンプリングネタは色々あるな……。