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書評、S.グールド著 『人間の測りまちがい ―差別の科学史』(2008、河出文庫) - 女教師ブログ
昨年文庫版で出た改訂増補版を、今更ながら読む。「人間は違っていると同じになりたがる。同じだと違っ... 昨年文庫版で出た改訂増補版を、今更ながら読む。「人間は違っていると同じになりたがる。同じだと違ったものになりたがる」(かなりおぼろげな引用) 石井洋二郎は、ブルデューの『ディスタンクシオン』の主題を、差異化と同一化を同時に欲望する往復運動であると簡潔に要約した。*1 3世紀にわたる「知性」をめぐる“科学的”な営みも、基本的には同じ欲望に突き動かされている。 多様でてんでバラバラに散逸している人間の知的能力。科学者(生物学者・人類学者・心理学者)たちはそうした混沌とした状況に我慢ならなかったのだろうか。彼らは、頭蓋骨の容量や身体の計測、IQテストなどの道具を利用して、「単一の尺度」に位置づけることを選んだ。 共通の土俵の設定は、それだけで終わったわけではなかった。共通の土俵は、人間の知性の序列につながり、それは必然的に知性の優劣を可視化することを意味した。 そしてその序列は、不幸なことに
2009/02/26 リンク