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デジタル公開に思う
絵巻など古典画像資料のデジタル公開は、ここ十年以上、凄まじいスピードで広がっている。とりわけ海外... 絵巻など古典画像資料のデジタル公開は、ここ十年以上、凄まじいスピードで広がっている。とりわけ海外に身を置いている者として、かなりの作品を気軽にパソコン画面に呼び出せるということは、なんともありがたい。一方では、そのようなデジタル公開を企画、管理する主体は、図書館など資料の所蔵機関だからだろうか、古典そのものをそのまま公開する以外、それ以上の作業はほとんどなされていない。 「酒呑童子絵巻」に関連する二例を具体的に眺めてみよう。 大阪大谷大学図書館は、所蔵の「酒天童子絵巻」を2010年に公開した。多くの同時期の公開サイトに比べて、そのオープンページは、練達にデザインされていて、魅力的で豊かな連想を誘う。ただ、内容はあくまでも絵巻を見せるのみ、資料紹介の項目は設けられてはいるが、中型辞書の解説にも及ばない。 数ある同絵巻の中で、一番最近に公開されたのは、立命館大学アート・リサーチセンターによる「
2019/09/03 リンク