アイルランドの妖精伝承

妖精の木を切り倒した人たちの話を聞いたことがあるよ。 それに、妖精の木を切っていて腕を失ったケネディの男の話は本当だと思うんだ。 でも、おれ自身、妖精の木から枝を切って、藁葺きの屋根を食べてしまわないように家の周りにぐるっと挿しておいたことがあるが、そのときはおれにはなにも起きなかった。 だけどおれの地主は妖精の木の枝を切ることをなんとも思っていなかったな。妖精の木を根っこから掘り起こしたことさえあるよ。おれの親父は残念なことだと言っていた。おれの地主たちは、木の枝からミシンのボビンを作っていたものなんだ。 IFC 971 p.440 話者：ミスター・ジョセフ・レッドモンド（７２）、年金受給者、バリーコワン生まれ、バリークレギー在住（当時）。 採話者：ポードリグ・マクゲラ・ヴェイ、カウンティアントリム、ローワーアントリム、コナーにて、１９４３年１１月３日。