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町/闇
心を闇で覆われた者は光を嫌って土にもぐった。心とからだを闇でくるんで、闇の世界に溶け込んで、そこ... 心を闇で覆われた者は光を嫌って土にもぐった。心とからだを闇でくるんで、闇の世界に溶け込んで、そこで初めて安らぎを得た。闇をまとった者は闇のなかで、闇をまとった者とささやきを交わした。耳を地面に近づけると、闇をまとった者のささやきが聞こえた。いつの間にか地面の下がささやきであふれて、気がついたときには闇の一族が生まれていた。 闇の一族は闇をまとって、闇のなかを這い進んだ。心を闇で覆われていたので、恐れるものはなにもなかった。頭上に石畳の道があれば、敷石を肩で押しのけた。かたい床にぶつかれば、鑿と鎚で穴を開けた。闇の一族が進んだあとには敷石をゆがめた畝が残った。床下から音を響かせて、開けた穴から小銭を渡して新聞を買った。食堂では穴の底から給仕を求め、勤め先では穴の底で見積もりを作り、居酒屋の床の下ではいくつものグラスを打ち鳴らして、ときにはグラスを返さないまま立ち去った。 石畳の道を闇の一族が