彫刻で空間を創る男「板東優展−抱擁−テラコッタ土による焼締め」 （産経新聞） - Yahoo!ニュース

人を驚かせたり、発想が突飛だったりと現代美術ではとかくアイデアが重要とされる。そんな時代にあって、ひたすら石や土といった素材に立ち向かい、真摯に創作を続けているのが彫刻家の板東優（まさる）さんだろう。 今回は、土を素材にした彫刻を発表。たとえば「抱擁」という作品。タイトルが示すようにカップルの抱擁だ。互いに相手の身体に腕を回し、絡み合う。溶けあうように同化し一つの塊となって存在する。表面はつるりとして滑らかな部分や指の痕跡を残すふくらみや窪みが混在し、複雑で豊かな表情を見せる。素材はテラコッタ土だが、高温で焼き上げることにより、黒ずんだ褐色で深く重みのある状態に仕上げた。 作者はわずかなふくらみも、電気窯やガス窯では焼くと微妙にしぼんでしまうため、登り窯を使い薪で焼き上げるそうだ。おおざっぱに見えるが、細部へもこだわりをみせる。「彫刻が空間に置かれれば立体的な空間になる。空間をいかに創

[news_creeper]

彫刻で空間を創る男「板東優展－抱擁－テラコッタ土による焼締め」