空虚に巣食う魔 ―― 笠井潔と『空の境界』

アレクセイ（田中幸一） 話題の新人作家のデビュー作『空の境界』（奈須きのこ・講談社ノベルス）を読みはじめて、いきなり「文章」に引っ掛かってしまった。一家をなしたベテラン批評家である笠井潔から、上下巻にわたる長文の解説をもらうという「破格の配慮」をうけた「（読書界では）無名の新人作家」の作品だったから、ことさら評価が厳しくなった、というわけではない。むしろ奈須きのこは、笠井潔に見込まれ（巻き込まれた）人なのだろうから「彼には、何の罪咎もない」と私は考える。だから、奈須に「破格の配慮」に値する力量 があろうとなかろうと、彼に厳しくあたろうなどという気は、私には微塵もなかった。……なのに、いきなり文章に、ひっかかってしまった。 有り体にいえば、文章が下手なのである。いかにも同人作品らしく、文章が生硬で、読んでいてひどく抵抗を覚えてしまう。はたして、上下巻を読み通 せるか、と不安になった。

[tora_17]

奈須きのこの文章をプロが一つ一つ添削するという図式は実は見てみたかったｗ「空の境界」は絵と音楽付で読みたい。多分彼の文章はサウンドノベル前提に最適化されたもの。

[shinichiroinaba]

身も蓋もねー。『空の境界』が小説として読むに堪える代物ではないというのは全くそのとおり。『Fate/stay night』は、まあもう少しましだがあれは絵があればこそ。『Fate/zero』は未見だが作家が違うしね。

[shimomurayoshiko]

ブコメの魔王さんとハイキャンさんが微妙に今とキャラ違う……

[nagaichi]

奈須文体については、それはそうだねとしか。ただそうした文体の稚気を上回って、独自の世界を構築する力量が好まれてるんだと思うけど。この筆者の意図は笠井潔批判にあるようなので、指桑罵槐なとばっちり感ある。

[shimoya-show]

奈須きのこの作品を読んだりプレイしたりしたことがある。文体云々以前に主要な成人の登場人物の内面が、まるでかっこつけた中学生のようだったのには驚いた。彼らの精神年齢は意図的に幼く設定されているのか？

[GEGE]

「この豚骨ラーメンはダメだ。アク抜きもろくにしてなくて臭いがひどい」「豚骨ラーメンってのはこの臭いがセットでこそ旨いんだよ！お上品なライト豚骨が食いたけりゃ別の店行けこのスットコドッコイ！！」そゆ話。

[No13sa10]

笠井潔が空の境界を自身の欲望のために使ったなら、この管理人は大嫌いな笠井潔を否定するために空の境界を使った。

[kennyssk]

いちおうは最後まで読んでからブコメしてみたいと思ったが、冒頭5000字ぐらいまで読むにいたり、それ以上は読むに堪えなくなり挫折してしまった

[highcampus]

専門用語を使うなら意味のぶれは少ない方がいい。しかし、ある程度一般的な語が、小説というものの中で辞書と全く同様の意味で使われるとは限らない。それで構わない、と思う。

[butadonya]

俺も「空の境界」は10ページ読んでやめちゃったな……。舞城王太郎と西尾維新は好きだったんだけど。読者層として違ってたということなのだろうか。

[Erlkonig]

「奈須きのこの文章を好む人はどういう理由でそれを好ましいと感じているか」を度外視して自分の思いつく基準で欠点を挙げているだけなので、結局「私は嫌いだ」としか言えてない記事。にはは、ぶいっ。