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十代目源右衛門雑記帳 渡辺淳一追悼ブームで読み直される『阿寒に果つ』
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十代目源右衛門雑記帳 渡辺淳一追悼ブームで読み直される『阿寒に果つ』
変質するジャーナリズム、原発神話の崩壊、戦後史探究、ボサノヴァとブルース、ロシア革命史、エスピオ... 変質するジャーナリズム、原発神話の崩壊、戦後史探究、ボサノヴァとブルース、ロシア革命史、エスピオナージ小説、フィリピン社会、北朝鮮、冤罪、食生活 「雄別炭鉱」といって、いま誰が覚えているだろう。旧阿寒町にあったが、1970年の閉山後、人家は絶えて、炭鉱城下町全体がジャングル化していた。昨年秋、産業遺跡の廃墟を探検するいかにもニッチな深夜番組に、渡辺淳一がゲスト出演した。渡辺といえば、自ら紡ぎだした小説の作中人物さながらに、有名女優や高級クラブの女性たちとさんざん浮名を流してきた文壇の大御所。いっとき、熟年ダンディズムの権化とさえ呼ばれていたその人が、のっぺりとした老人の貌を無警戒に晒していた。抗がん剤によるムーンフェイスなのだが、当時は知る由もない。雄別は若き日の渡辺が駆け出し医師としてその炭鉱病院に一時赴任していたところ。話しながら渡辺は感極まって落涙する。そこには、大衆文学の世界で一派