今週の本棚・新刊：『書くことが思いつかない人のための文章教室』＝近藤勝重・著 - 毎日ｊｐ(毎日新聞)

（幻冬舎新書・８１９円） 書くことの意義を説くことから始まる「文章入門」が、本書の一大特長。いい文章＝「独自の内容」＋「伝わる表現」と、著者は言い切る。テーマが思いつかねば、「記憶を描写してみよう」と呼びかける。「状況を再現」し「人に報告するつもりで見る」と、テーマはおのずと浮上してくると説く。有名小説の添削など例題も豊富だ。解答を重ねれば、文章力が増す構成になっている。 著者は名文家として名高く、大学院で文章表現講座を受け持つ現役記者。「伝わる文章の秘密」として、「人プラス物」と「五感の活用」で人の心を浮き彫りにし「比喩力の向上」で文章に奥行きを持たせる－－などのネタを明かしている。団塊の世代に根強い人気の「自分史」へ挑戦意欲をかき立たせる好著。（喬）

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