書法解剖 ─ 楷書編

2008年 ２月 楷書は、書道においては基本的書体として位置付けられ、小学校書写の段階から高校・大学・一般においても初学の要として学ぶべきものとなっている。一点一画ずつ、決められた画数を筆順に従って書いていく厳格さが必要とされる書体である。 また日常生活においては、新聞・雑誌といったあらゆる印刷物、昨今多くが使用するようになったパソコンや携帯電話のメールなど、そのいずれにも使用されている文字書体と言えば楷書である。確かに、こういった機械でプリントや表示するには、画一的に形作られている楷書が他の書体よりも適しているというわけである。 このように、文字に接するとなれば、日常にせよ、書学に取り組むにせよ、まず楷書体ということになる。 楷書には別名、正書とか真書という呼び方もある。日本においては楷書と一般に言うが、中国では正書と呼ぶことが通例となっているようだ。 一、正書の歴史 正書とは