富裕層狙いの「出国税」ーーなぜ富裕層は海外移住を望んだのか｜ライブリー退職金と未来のお金

2015年7月に始まった国外転出時課税制度。別名「出国税」は、海外移住する富裕層をねらいうちした税制とも言われています。今回は、「出国税」の導入により富裕層にどのような影響があるのか紹介していきます。 その1：富裕層はなぜ海外に移住するの？ ●相談事例● 知り合いのA氏（67歳）は元独立系ベンチャーキャピタルの経営者。投資に成功して巨額の富を得た彼は、税金対策のため香港に移住して日本との二重生活を楽しみたいと言っていた。しかし「出国税」が導入され、移住には少なからず影響があるのではないかと気にかかっている。 穏やかな経済成長とインフレにより、100万ドル以上の金融資産を保有する富裕層の日本人は2014年時点で273万人にのぼると言われています。（参考文献：クレディ・スイス2014年度「グローバル・ウェルス・レポート」） これらの富裕層を悩ますのが、日本の高い税率。2015年1月には所得