水の音、無形の雫:便所論壇２．０ 『異国迷路のクロワーゼ』

便所論壇は今まさに第二章へと移行しようとしているのかもしれません。 「異国迷路のクロワーゼ」において描かれる、あるいは描かれない「便所」は、その空間としての存在に加えて、周辺環境まで含めた「文化」としての特色に着目すべきであると我々に語りかけてきます。 この作品の時代設定は、１９世紀後半という便所的にきわめてデリケートな時代――下水道の整備によって水洗便所の普及が始まろうかという時代――であるため、どこの家庭にも現代のようなかたちの便所があるとは言い切れません。（ひどく曖昧な言い方になりますが、それぐらい微妙な年代ということです） つまり、ここで押さえておきたいのは、クロードの家には、現代で想定されるかたちの便所はなかった可能性が非常に高い、という点であります。 例えば、第三話において描かれたのは、この作中世界／時代における「水」および「紙」の希少さでした。 水が貴重な存在であるということ

[alphabate]

ぶれないなー | 便所論壇２．０ 『異国迷路のクロワーゼ』

[sasahira]

水洗トイレを下水につなげる法律ができたのが1894年だそうなんで、たぶん水洗トイレはないでしょう。/ボンマルシェの改装が1887年完成でその辺の年代かなと予想している。