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1843夜 『息吹』 テッド・チャン − 松岡正剛の千夜千冊
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1843夜 『息吹』 テッド・チャン − 松岡正剛の千夜千冊
息吹 テッド・チャン 早川書房 2019 Ted Chiang Exhalation 2019 [訳]大森望 編集:清水直樹 校正:上... 息吹 テッド・チャン 早川書房 2019 Ted Chiang Exhalation 2019 [訳]大森望 編集:清水直樹 校正:上池利文 装幀:水戸部功 草むらにユリが咲いていると思ったら、おやおや電子百合めいていた。気が付くとこちらの目が瞬間仮想システムに組み入れられていた。ユリの花弁をアリが歩いていると思ったら、それは当方の僅かな計算誤差によるものらしい。私のヴァージョンの中の別の蟻もどきの会話が聞えてきたので、わかったことだ。 テッド・チャンを読みおわるたびに、こんな微細な錯綜がちらちら出入りする。トリッキーなイリュージョンの罠を仕掛けるSFはいくらもあるが、読む者の思索の植え込みに「SF的校閲」を作動させる才能にはそんなにお目にかかったことがない。科学的仮説にもとづく校閲を忍ばせる才能だ。 寡作である。23歳で『バビロンの塔』(1990)を書いてデビューしたのち、30年間で2冊