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もういちど助け合おう:日本文化史に探る『災害ユートピア』
当初は夏に入る前にも復興のバトンを引き継ぐのかと見られた菅政権でしたが、場当たり的にも見える仕方... 当初は夏に入る前にも復興のバトンを引き継ぐのかと見られた菅政権でしたが、場当たり的にも見える仕方で「脱原発」政策を矢継ぎ早に打ち出し続ける姿が賛否両論を呼び、これに与野党双方を巻き込む政局が絡んで、被災地を置き去りにした政治の混乱もいよいよ極まった感があります。震災当初、復興支援に対して国民みなが抱いたはずのあの結束感――もしくは「誇れる日本人」だとか、「世界一優秀な民族」だとか、今となっては口にするのも恥ずかしい類の国民性論まで沸騰させたある種の高揚感は、いったいなんだったのかと、絶望に近い諦念に打ちひしがれている方も多いのではないでしょうか。前年末に邦訳初版が刊行(原著は2009年)され、期せずして今回の不幸な震災にも逢着して版を重ねる本書は、災害発生当初にはなぜ、(“国民性”の如何にかかわらず)いかなる被災地でも互いに力をあわせあう利他的行動が自ずと発生し、そしてそのようなユートピア
2011/07/15 リンク